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英でも反人種差別デモ…奴隷商人の銅像、川に投げ込まれる

英でも反人種差別デモ…奴隷商人の銅像、川に投げ込まれる

Posted June. 09, 2020 08:07,   

Updated June. 09, 2020 08:07

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「コルストンは私たちの都市から消えなければならない」

7日、英国西部の港町ブリストルの都心。1万人が集まって白人警官の過剰制圧でジョージ・フロイト氏が死亡したことに抗議するデモが行われた。一部のデモ参加者が、コルストン通りに立てられた高さ5.5メートルの銅像に突進し、顔に卵を投げつけた。さらに彼らは、ロープを首にかけて銅像を引き倒した。「やった」という歓声が起きた。この場面は、欧州で起こる反人種差別デモの象徴になっている。

 

BBCなどによると、欧州各地で大規模に開かれた同日の抗議デモで、一部のデモ参加者が人種差別関連の歴史人物の銅像を破壊することが起こった。

 

倒された銅像の主人公は、17世紀の奴隷貿易商のエドワード・コルストン(1636~1721)。ブリストル出身のコルストンは1680年、西アフリカ貿易を独占した王立アフリカ会社の官吏として活動し、カリブ海付近と米大陸で約10万人を欧州に連れてきて、奴隷として売った。ブリストルは17世紀、英国の奴隷貿易の中心地になった。

1689年、英国の名誉革命後に王権が弱まると、コルストンは慈善事業家に変身し、ブリストルやロンドンの学校、病院に寄付を始めた。ブリストル地域の保守党下院議員としても活動した。1721年に死亡し、財産を地域の慈善団体に寄付した。このため、ブリストル内の学校や公演会場、建物などをはじめ通りにまで「コルストン」という名前がつけられ、1895年には銅像が立てられた。しかし、1815年から欧州では奴隷貿易が禁止され、コルストンの奴隷貿易活動に対する批判が強まった。病院や学校などに刻まれた彼の名前が削除され始めた。

特に、フロイト氏事件を機に、この1週間、「銅像を撤去してほしい」という数千件の請願が市に届けられたと、英紙ガーディアンは伝えた。デモ参加者は、コルストンの銅像を引き倒した後、フロイト氏が白人警官にされたように銅像の首を膝で押さえつけた。その後、銅像を港に運び、エイボン川に投げ込んだ。

ベルギー・ブリュッセルでも同日、反人種差別デモの参加者がアフリカのコンゴ民主共和国で植民統治をした国王レオポルド2世(1835~1909)の銅像を傷つけた。レオポルド2世の残酷な統治で、1885年から1908年までに1000万人を超えるコンゴ人が命を失ったと推算される。

このほかにも、ドイツ・ベルリン、スペイン、マドリード、イタリア、ローマ、フランス、マルセイユ、デンマーク、コペンハーゲンなどで同日、大規模デモが起こった。特に、ロンドンでは抗議デモが激しくなり、デモ参加者と警察が衝突し、警官14人が重軽傷を負ったと、ロイターは伝えた。ジョンソン英首相は「反人種差別デモが暴力に乗っ取られた」とし、「誰もが社会的距離を守りながら平和的に抗議する権利を持つが、警察を攻撃する権利はない」と強調した。


金潤鍾 zozo@donga.com