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江北のマンション価格でNYのコンドミニアムが買える、海外不動産投資がじわじわブーム

江北のマンション価格でNYのコンドミニアムが買える、海外不動産投資がじわじわブーム

Posted August. 11, 2022 09:22,   

Updated August. 11, 2022 09:22

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#1=50代のキム某氏は今月中旬、米ニューヨークにマンションの現地調査に出る。ニューヨーク・マンハッタンの62平方メートル(約19坪)規模のワンルームのマンション(コンドミニアム)を直接見て、現地の雰囲気も調べるために出国する。同マンションの現在の相場は13億ウォン台後半。ソウル城東区(ソンドング)のマンションの平均売買価格(13億6700万ウォン・韓国不動産院の6月価格基準)とほぼ同じだ。ニューヨークでのマンションの家賃は約580万ウォンで、昨年より40%近く上昇した。キム氏は、「ソウルでマンションを追加購入するより、米国でコンドミニアムを購入した方が税金や収益率などではるかに良さそうだ」と話した。

#2=ソウルに住む50代のイ某氏は先月、子どもと一緒にニューヨークに行ってきた。新型コロナウイルス感染症で中断されていた大学の学期が9月から再開され、近くで大学に通う子供2人が居住する家を調べるためだ。彼が調べた家は、米ブルックリン地域の居間一つ、部屋一つの69.4平方メートル(約21坪)のコンドミニアム。相場が14億ウォンのこのコンドミニアムの家賃は、2年前の300万ウォンから最近は600万ウォンまで高騰した。イ氏は、「ソウル江北(カンブク)地域のマンション価格と大差がなく、いっそ購入して子供たちが卒業後にも賃貸収益を上げるつもりだ」と話した。

新型コロナの拡大以降、事実上途絶えていた海外不動産投資が再び頭をもたげている。最近4〜5年間熱かった韓国国内の不動産市場が昨年末から急激に冷え込み、資産家はもちろん不動産投資に関心の高い一般人までが海外に目を向けている。

海外不動産投資家の間では、不動産規制が少なく、市場需要が強固で安定的な収益を狙える米不動産市場が人気となっている。ニューヨークのような大都市は最近、不動産需要が大きくなり賃貸料も高騰している。新型コロナの拡大当時、都市を離れた労働者や学生らが、新型コロナが落ち着く時点に合わせて戻ってきたことによるものだ。

商業用不動産への関心も高い。40代のパク某氏は、ソウル江南(カンナム)地域の小さなビルを購入しようとした計画を変え、ニューヨーク商店街の建物への投資を狙っている。先月280億ウォンで売りに出されたニューヨーク・ソーホーの2階建ての建物の購入を悩んでいる間に、現地人が当該物件を購入したため投資機会を逃してから、このような考えがさらに大きくなった。建物のメンテナンス費用は、借家人や入居商人が負担することも長所だった。パク氏は、「ソーホー地域の商店街の建物は、年間賃貸料が20億ウォン以上で収益率が6%台だ」とし、「収益率が1〜2%台である江南の小さなビルへの投資より良い」と伝えた。

韓国国内の都市銀行や証券会社、不動産コンサルティング会社でも、海外不動産投資に関するセミナーが相次いで開催されている。今年6月、米ニューヨークの不動産投資説明会を開催するためにソウルを訪れた米国の不動産仲介法人の関係者は、3週間だった滞在日程を来月初めまで伸ばした。国内都市銀行のプライベートバンカー(PB)はもちろん、証券会社からもセミナー要請が相次いだためだ。韓国投資証券は、米国不動産プラットフォーム「コリーニ」と業務協約を交わし、顧客に対し米不動産投資サービスを強化することにした。コリーニのムン・テヨン代表は、「米国は、住宅取得税と多住宅保有にともなう総合不動産税の重課が全くないなど不動産関連規制が少なく、最近になって投資家たちがさらに注目している」と説明した。

韓国投資証券資産継承研究所のアン・ソンヨン不動産チーム長は、「米国は70%に迫る住宅賃貸比率が不動産価格を支えているが、バブルの懸念もなくはない」とし、「国内不動産に投資する時より速い対処が難しいことも考慮して、慎重に投資しなければならない」と話した。


チョン・スング記者 soon9@donga.com