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核危機高まる…ロシア「米の核査察、受け入れられない」

核危機高まる…ロシア「米の核査察、受け入れられない」

Posted August. 10, 2022 09:30,   

Updated August. 10, 2022 09:30

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ウクライナを侵攻した後、米国と激しく対立しているロシアが、「新戦略兵器削減条約(新START)」によるロシアの核兵器施設に対する米国の査察を受け入れないと明らかにした。ウクライナとロシアが、欧州最大の原子力発電所があるウクライナ南東部ザポリージャで激しい交戦を繰り広げており、欧州全体に核危機が高まっている。

BBCなどによると、ロシア外務省は8日、「米国が、ロシアが米国内で核兵器の査察を行う権利を奪い、一方的に自国に有利な状況を作った」とし、現状況を考慮せず査察を再開するという米国の主張は受け入れられないと明らかにした。西側諸国の制裁で、ロシアの軍事専門家は米国の核施設を査察できないのに、米国の査察だけ続くのは不当だという論理だ。

ただし、「新STARTの完全な順守に向けて最善を尽くしている」とし、関連問題が解決され次第、査察停止を取り消すことができるとした。西側がまず制裁を解けば、ロシアも核査察を受け入れるということだ。

米国とロシアは、核兵器実践配備の規模を制限するために、2010年に新STARTを結んだ。ロシアのウクライナ侵攻後、両国の対立が激化し、核兵器強国の中国が参加していないことも、実効性に欠けると批判されてきた。バイデン米大統領が1日、「新STARTに代わる新規軍備削減体制を迅速に協議しよう」と提案したが、ロシアは明確な反応を見せていない。

3月からロシアが占領しているザポリージャ原発をめぐるロシアとウクライナの攻防が停止されなければならないという声も大きくなっている。国際原子力機関(IAEA)は、ロシアに原発に対する現場調査を求めたが、ロシアは調査のための日程を遅延させる手法を使っている。

 

バイデン政権は8日、ウクライナに高機動ロケット砲システム(HIMAS)、対戦車ミサイル「ジャベリン」など10億ドル(約1兆3千億ウォン)の兵器を支援することを明らかにした。ロシアの侵攻後、単一支援では最大規模で、ウクライナ軍がザポリージャ、ヘルソンなどに兵力を集中させているロシア軍と対抗するうえで大きな助けになるとみられる。


趙은아 achim@donga.com