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ソプラノのソ・イェリ「古楽の美しいメロディーを楽しんでもらいたい」

ソプラノのソ・イェリ「古楽の美しいメロディーを楽しんでもらいたい」

Posted December. 02, 2021 08:48,   

Updated December. 02, 2021 08:48

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「悲しみに沈んだ聖母様が泣きながら十字架の近くに立っていらっしゃる。暗くて痛い心を刀が突き抜けた」(スタバト・マーテル)

「コーヒーはどれほど甘いか。千回のキスより愛らしく、マスカテルワインよりまろやかだな」(コーヒーカンタータ)

今年のハンファ・クラシックはバロックの「聖」と「俗」の両面を味わえる舞台だ。イタリア教会音楽の傑作であるペルゴレージの「スターバト・マーテル」(立っている聖母)とJ.S.バッハの世俗カンタータの代表作である「コーヒー・カンタータ」とが対比される。ソプラノのソ・イェリと「ハンファ・バロックプロジェクト」がハーモニーを奏し、カウンターテノールのチョン・ミンホ、テノールのホン・ミンソプ、ベースのキム・スンドンが出演する。7日と8日の両日、ソウル芸術の殿堂コンサートホール。

ソ・イェリは、「今回の演奏曲は古楽に詳しくない音楽ファンには最も聞きやすい作品」と東亜日報とのメールインタビューで語った。古楽とは、概してバロック時代以前の昔の音楽を当代の楽器と技法で演奏することを意味する。

「ペルゴレージのスターバト・マーテルは教会音楽ですけど、叙情的で美しいメロディーが目を引きます、バッハの『コーヒー・カンタータ』は面白いし、テンションが上がるんです。オペラを書かなかったバッハが自分のユーモラスなところを表現したくて選んだ方法だと思います」

スターバト・マーテルはイエスの処刑を見ながら苦痛を共にする聖母を描写した13世紀の宗教詩。ロッシーニやドヴォルザークなど多くの作曲家が曲をつけたが、天才作曲家ペルゴレーッジが26歳で夭折する直前に書いた曲が最も広く演奏される。バッハの「コーヒー・カンタータ」は、コーヒーにこだわる娘と、それを心配する父の神経戦をユーモラスに描いた作品。この日、バッハの「バイオリンとオーボエのための協奏曲」も演奏される。

今年で9回目のハンファ・クラシックは、ヘルムート・リリング、マルク・ミンコフスキ、ウィリアム・クリスティ、ジョルディ・サバールら古楽の巨匠を招待して毎年公演を行ってきた。「バロックプロジェクト」はバロック・バイオリニストのキム・ナヨン、チェリストのカン・ヒョジョンなど国内外で活躍する古楽奏者たちが集まったオーケストラ。オランダ・アムステルダムのスヴェーリンク音楽院教授でバイオリニストのヨハネス・レイルタウアルが楽章を務める。

ソ・イェリはヨス・ファン・インマゼール、ルネ・ヤーコプズ、フィリップ・ヘレヴェッヘなど古楽の巨匠たちと呼吸を合わせながら欧州を中心に活躍しており、現代音楽の解釈でも高い評価を受けてきた。今回のコンサートの後は、ドイツに帰ってデュッセルドルフでアダム・フィッシャーが指揮するベートーベン交響曲9番コンサートと新年音楽会に出演する予定だという。

今年のハンファ・クラシックはネイバーテレビで中継される。現場公演は2万~5万ウォン。070-4234-1305


ユ・ユンジョン文化専門記者 gustav@donga.com