Go to contents

「時間を浪費する必要はない」と言う金与正氏、様子見は止めて対話に応じろ

「時間を浪費する必要はない」と言う金与正氏、様子見は止めて対話に応じろ

Posted September. 27, 2021 08:21,   

Updated September. 27, 2021 08:21

한국어

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の実妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が25日、談話で、「いま北と南は互いに舌戦を行い、時間を浪費する必要がない」と呼びかけた。そして、条件つきではあるが、終戦宣言と4回目の南北首脳会談に前向きな立場を表明した。与正氏は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会で終戦宣言を提案した3日後の24日にも、「興味深い提案で、良い発想だ」と明らかにした。

実のところ、文大統領の国連での終戦宣言の提案は、昨年に続いて2回目で、内容も特に変わっていない。しかし、北朝鮮は待っていたかのように今回は与正氏が出て、2日連続で融和的なメッセージを出した。北朝鮮の急変は、内部事情が原因の可能性が高い。対北朝鮮制裁と新型コロナウイルスの封鎖で悪化する経済がこれ以上持ちこたえられない状況に追い込まれたとみられる。このため、窮余の策として対話を通じて活路を模索しようという狙いだ。

与正氏は対話再開の先決条件をつけた。北朝鮮の武力増強に対して韓米とは異なる基準を提示しないことを要求し、敵視政策の撤回と相互尊重を付け加えた。しかし、韓米が北朝鮮との対話に応じる前にこのような要求事項を聞き入れることは不可能に近い。結局、北朝鮮は対話再開を秤にかけて最大限の譲歩を勝ち取ろうという思惑だろう。与正氏は、文政府に対して、「目に見える実践が現れることを望む」と述べた。米国から追加的な譲歩を取りつけてほしいという「通南通米」カードだ。平昌(ピョンチャン)の時に使った方法を来年の北京冬季五輪を5ヵ月後に控え、再び出してきたとみられる。

対話に導くために制裁戦線が崩れてはならない。しかし、一方的に北朝鮮を責め立てれば、対話の入口を見出せないというのがジレンマだ。韓米は、対北朝鮮政策と関連して一層緊密に調整し、方法を模索しなければならない。北朝鮮もこれ以上、対話の再開をめぐって様子伺いは止めなければならない。対話が遅れれば遅れるほど、大きな苦痛を味わうのは北朝鮮だ。