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李俊錫氏の「3無」選挙、与野党の高コスト政治文化を一新する契機すべきだ

李俊錫氏の「3無」選挙、与野党の高コスト政治文化を一新する契機すべきだ

Posted June. 14, 2021 08:08,   

Updated June. 14, 2021 08:08

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野党「国民の力」の李俊錫(イ・ジュンソク)代表は14日、ソウル上渓洞(サンゲドン)の自宅から地下鉄に乗って国会議事堂駅で降り、自転車に乗って国会本館に出勤した。李氏は、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「党代表に提供される乗用車と公共交通のうち効率的な方を利用する」と話した。今後を見なければならないが、「30代、当選0回」の野党第一党代表の出発は、これまでの政党代表の姿とは違った。

李氏は今回の党代表選挙運動でも、既存の政治家とは全く異なる姿を見せた。まず、選挙を支援する人員を5人ほどにし、大規模な陣営事務所を設置しなかった。候補を支援する車両もなく、電車や地下鉄などの公共交通を利用する選挙運動を展開した。発送のたびに数百万ウォンかかる広報用メールもほとんど送らなかった。政党選挙運動で必須項目とされる陣営事務所、車両、メールのない「3無」選挙運動をしたのだ

 

政界では選挙運動の方式は費用と直結する。勢力対決のために組織を総動員し、無差別の広報戦を行うには、天文学的な費用支出が避けられないためだ。特に、政党代表は公職候補の公認権を握っており、全党員に対する選挙運動が激しい。これまでの党代表選挙では、候補1人当たり数億~数十億ウォンを使うのが公然の秘密だった。このような慢性的な選挙運動が高コスト政治文化の原因を提供してきたのだ。

野党の一部では、李氏が政治の現実を分かっていないと批判したが、李氏は組織と量中心の古い選挙運動方式を拒否した。一方、時代の流れに呼応するメッセージを伝え、議題を設定することに力を入れた。新しい選挙運動方式のおかげで、李氏が支出した選挙費用は3千万ウォンほどだったと推定される。政界の旧態依然の選挙運動方式に警鐘を鳴らしたのだ。

 

古い高コスト政治文化を変えろという時代の要請に応えるうえで、与野党に違いはない。事実上、大統領選候補レースが始まった与党「共に民主党」では、大統領選候補陣営が次々に作られている。すでに過去と似た方式で、大規模な陣営と諮問団の構成を準備しているという声も聞こえる。このような方式なら、党内選挙で天文学的な費用がかかると懸念されざるを得ない。同党の宋永吉(ソン・ヨンギル)代表は目前に迫った党内選挙を高コストの政治構造を改める舞台にしなければならない。「李俊錫現象」で確認された変化と刷新の要求に与党が背を向ければ、選挙で民心の厳しい審判を受けることになるだろう。

 

李俊錫現象は、世代交代を越えて時代交代を望む民心が投影されたものだ。時代交代は政界の古く旧態依然の形態を清算することから始めなければならない。その第一歩は、高コスト政治構造を改善することでなければならない。