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「関東大震災朝鮮人虐殺」究明、在日歴史学者・姜徳相さん死去

「関東大震災朝鮮人虐殺」究明、在日歴史学者・姜徳相さん死去

Posted June. 14, 2021 08:09,   

Updated June. 14, 2021 08:09

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1923年の関東大震災時の官憲による朝鮮人虐殺の真相を究明した在日韓国人の民族主義歴史学者、姜徳相(カン・ドクソン)さん(写真)が12日、悪性リンパ腫で死去した。89歳だった。

姜さんは60年代から収集した日本の機密文書、官僚の手記、官憲および民間人の証言をもとに、関東大震災における朝鮮人虐殺は「国家権力を主犯に民衆を従犯にした民族的大犯罪」と主張した。

姜さんは64年、資料集『関東大震災と朝鮮人』のほか関連論文を30編以上発表した。これらの研究が90年代に日本の教科書に関東大震災時の朝鮮人虐殺の内容が含まれる契機になったと評価されている。

姜さんはまた、呂運亨(ヨ・ウンヒョン)と3・1運動に関する研究など韓国の近現代史を研究してきた。膨大な独立運動の史料で名前が多く登場する人物として、李東輝(イ・ドンフィ)、洪範図(ホン・ボムド)、安昌浩(アン・チャンホ)、呂運亨を挙げ、2002年に『呂運亨評伝』も出版した。

姜さんは1932年に慶尚南道咸陽(キョンサンナムド・ハムヤン)で生まれ、2年後に来日。早稲田大学史学科学士・修士学位を取得し、明治大学で東洋史博士課程を修了した。89年に一橋大学社会学部教授に就任した時、「在日韓国人初の国立大教授」として話題を集めた。2005年に民団の在日韓人歴史資料館の初代館長を務め、14年に「慰安婦企画展」を開いた。

姜さんは12年、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「幼い頃には日本が話す歴史が全て正しいと思っていたが、戦後に日本を占領した米軍政が歴史教科書で誤った部分を訂正するのを見て『私が習った歴史は事実でないかもしれない』と思った」とし、歴史研究の重要性を強調した。


東京=パク・ヒョンジュン特派員 lovesong@donga.com