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25年ぶりに実を結んだ「轟音」への執念

25年ぶりに実を結んだ「轟音」への執念

Posted March. 03, 2021 08:10,   

Updated March. 03, 2021 08:10

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スコットランド出身のバンド「モグワイ」がデビューしてから25年ぶりに、初めてUKアルバムチャートで首位に立った。新しいアルバムであり、10回目のレギュラーアルバム 「As the Love Continues」がその主人公。販売枚数に執着するチームではないが、メンバーとファンのお祝いの言葉がオンラインにあふれている。まるでスコットランドの2部リーグのチームが創設以来、初めてイングランド・プレミアリーグの優勝カップを手にしたかのような雰囲気だ。

確かにチャートに気を使うつもりだったら、最初からこんな音楽もしなかったはずだ。「モグワイの音楽に愛のセレナーデ」を求めることは、井戸端で桃の香りの炭酸水を注文するようなもの。10〜20分を軽く超える長い演奏曲が専売特許だ。

彼らが書く聴覚的脚本は、たいてい起承転結の代わりに「静かに-騒々しく-もっと騒々しく」の公式に従う。きれいなギターの分散ハーモニーが続き、ある瞬間増幅されたサウンドが怒濤のように押し寄せ、「これがピーク」と信じた瞬間、さらに一段階ボリュームを上げて終焉を迎える。

2014年と2018年の2度の来韓公演で、彼らは飛行機の離陸音量(130デシベル)を越える轟音の新天地を聞かせてくれた。しかし、「モグワイ」の音楽は悽絶であるほど美しい。サッカー選手ジネディーヌ・ジダンを扱ったドキュメンタリー「ジダン、21世紀の肖像」(2006年)のサウンドトラックを引き受けたほどドラマチックだ。2、3台の電気ギターが幾重にも重なった厚いノイズが、SFアクション映画の総体的破壊フィナーレのように痛快だ。

モグワイは、怪異な歌のタイトルでも有名だ。ファンたちが、「練習室にランダムタイトル生成器でも隠しておいたんじゃないか」と言うほど。

「縛られた青少年から来た快活な波」「太陽からあまりにも騒々しいにおいがする」「あなたはライオネル・リッチーよ」などの歌のタイトルは、まるで現代美術館にかけた抽象画家のひどいユーモアのようだ。

最初のアルバムの最初の曲のタイトル「Yes!I Am a Long Way from Home」は、新作最後の曲名「It‘s What I Want to Do, Mum」と妙に対句となる。そういえば、彼らは1314万分(25年)の演奏曲を止めなかったのかも知れない。

「僕がやりたいことはこれです、お母さん」

「It‘s What I Want to Do, Mum」


イム・ヒユン記者 imi@donga.com