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人生の主になる方法

Posted October. 26, 2020 08:57,   

Updated October. 26, 2020 08:57

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「わたし」が変われば「世界」が変わる。世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わり得ない、という意味だ。(岸見一郎、古賀史健「嫌われる勇気」)

野球は個人の能力をもとのチームを組んで戦う団体競技でありながら個人競技だ。以前は指導者の言葉を良く受け入れ、指示に良く従う選手のことを良い選手だと評価する見方が多かったが、今は選手の個性まで尊重し、以前とは変わった文化があるようだ。

素直な選手が野球がうまいのではない。素直な選手は、自ら考えて判断するよりは、指示されたことにしっかり従う受動的な選手になっていく。とくに打撃の技術や投球の技術は、選手のクリエイティブな本能を覚醒させてこそ発展できる難しい領域だ。その領域で、「わたし」が主体になれず、他人の指示だけを受けていては発展は望めない。

中学校1年生の球児に打撃レッスンを行ったことがある。その子がやってきた打撃方法について、私は少し違う観点からアプローチしたが、それは従来の打撃理論とは差があったので、その子と私にとって勇気が必要だった。幸いに、練習を重ねるにつれて変化を感じ始めたし、長期にわたる厳しいトレーニングを黙々と耐えてくれた球児は、今年プロ野球チームに指名されて、夢に見たプロ野球選手になった。

指導者はいくらでもアドバイスできる。だが、それを受け入れて自分のものにしていくかどうかは、全く本人次第だ。変化には苦痛が伴う。その代わり、苦痛を通じて自分の価値に気づけば、自分の大切さを感じる過程に変わる。

どんな困難も、自分が考え方を変えれば解決できる。プロ野球選手として19年間を一つのチームで活躍し続け、今の仕事ができるようになるまで、絶えず変化と挫折と成功を経験した。その中で自分の人生の主体になって生きることが何よりも重要であることに気づいた。希望と不安に満ちている人生だ。誰もが勇気ある主になれる。