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北住民と自由な接触が可能に、米の反対に耳を塞ぐ危険な対北朝鮮ドライブ

北住民と自由な接触が可能に、米の反対に耳を塞ぐ危険な対北朝鮮ドライブ

Posted May. 28, 2020 07:46,   

Updated May. 28, 2020 07:46

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政府が、南北交流協力法を改正し、偶発的に北朝鮮住民と接触した場合、届け出の義務を緩和することを決めた。統一部当局者は26日、「現実性に欠ける部分を削除し、現実的な内容を盛り込むことで法を変える方針だ」とし、法改正の趣旨を説明した。

 

政府はまた、南北交流・協力事業を制限、禁止するには閣議を経るようにするなど、中断条件を厳しくする方針だ。どの政権でも開城(ケソン)工業団地の閉鎖や金剛山(クムガンサン)観光の中止といった南北関係断絶措置の実施を難しくさせるということだ。政府は27日、オンライン公聴会まで速戦即決で終えた。先週、哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没に対応した「5・24措置」が実効性を失ったと明らかにしたのに続き、南北交流の再開に向けた速度戦に出たのだ。

1990年8月1日に制定された南北交流協力法が30年もの間、時代の変化を反映できていないことも事実だ。海外旅行をする国民が北朝鮮レストランに行ったり北朝鮮の住民に偶然会っても政府に届け出なければならない過度な統制だった。実際に届け出はほとんどなく、それにともなう不利益もなかったため、手を加える必要もある。しかし、交流協力法が海外で韓国国民を保護し、一部の北朝鮮追従勢力の北朝鮮との接触を制限する役割をしてきたので、補完策も提示されなければならない。自由な出入国が保障された韓国とは違って、海外で会うことができる北朝鮮住民は機関員や工作員が多いという現実に変わりはない。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任3年目の演説で、「米朝対話だけ眺めるのではなく、南北間でできることは探していかなければならない」と明らかにした後、政府与党では先を争って南北交流を促す発言が溢れている。統一部長官は27日、南北共同水路を点検するとして漢江(ハンガン)河口を訪れ、統一部は国連を通じた490万ドルの北朝鮮への支援を決めた。米政府は、南北協力が北朝鮮の非核化と歩調を合わせなければならないと繰り返し強調しているが、文政権は意に介さない様子だ。

このように強引な対北朝鮮政策が続けば、韓米協力が崩れ、北朝鮮の非核化が失踪する恐れがある。南北関係の進展は必要だが、韓国が焦っていると映れば、北朝鮮に指導権が握られることになる。北朝鮮はただ力の構図と必要に応じて南北対話に出る。今は、堅固な韓米協力をもとに北朝鮮を変化に導くための戦略的忍耐を発揮しなければならない。