
世界の主要国で長期国債の利回りが一斉に急騰し、金融市場の緊張が高まっている。国際原油価格の急騰やインフレへの懸念、巨額の政府債務に対する不安が重なり、主要国の長期国債が同時に売られている格好だ。長期国債利回りの異常な上昇が株式市場をはじめ資本市場全体を揺さぶる「金利タントラム」への懸念も強まっている。
投資家による国債売りが相次ぎ、世界の主要国で国債利回りが10数年ぶりの高水準まで上昇している。米国の30年物国債利回りは1日時点で5.27%と、2007年以来19年ぶりの高水準となった。日本の10年物国債利回りも30年ぶりに3%台に乗せた。英国とドイツの国債利回りも、それぞれ18年ぶり、15年ぶりの高水準を更新した。1日に米ニューヨーク株式市場が下落したのに続き、2日には韓国総合株価指数(KOSPI)も前日比3.99%下落するなど、市場の不安が資本市場全体に広がっている。
長期国債利回りが一斉に上昇している背景には、中東での戦闘再燃や主要国の財政拡大、物価上昇への懸念など、複数の要因が絡み合っている。先月、米国とイランの直接交戦が1カ月ぶりに再開すると、1バレル=60ドル台まで下落していた国際原油価格は再び90ドル台に上昇した。これにより物価上昇圧力が強まり、金利を押し上げた。巨額の政府債務も市場の不安をあおっている。財政赤字を埋めるには政府が国債をさらに発行しなければならないが、それを買う投資家が際限なく増えるわけではないためだ。米国の政府債務が40兆ドルを超える中、国債市場の不安が短期間で解消されるのは難しいとの懸念も強い。
金利の高止まりが続けば、韓国経済も打撃を避けにくい。国債利回りが上昇すれば市場金利も上昇し、企業の投資を冷え込ませるほか、家計の利払い負担を増やし、内需回復の足かせとなる可能性がある。国債の利払いに充てる税金も増えることになる。半導体好況の恩恵を受けている韓国にとっては、金利上昇により人工知能(AI)への投資が縮小する可能性も大きな懸念材料となっている。
長期国債利回りの上昇は、世界経済が再び危険水域に入ったことを示す警告でもある。原油高、物価高、金利高という「三重苦」がさらに深刻化する可能性もある。政府は金融市場の不安が実体経済に波及しないよう、先手を打った危機管理に取り組まなければならない。また、無理な財政支出を控えるとともに、財政健全性に問題がないか改めて点検する必要がある。






