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「超低賃金」労働者の半分が60歳以上

Posted May. 10, 2023 08:50,   

Updated May. 10, 2023 08:50

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キム・ジョンスさん(仮名・68)は4年前、韓国国内の外資系会社を定年退職した。名門大学出身で、相当な年俸をもらっていたが、引退後の境遇は同年代の友人たちと大差なかった。「ゴルフもして趣味も楽しむ余裕のある老後」は、夢に過ぎなかった。月200万ウォンに満たない老齢年金は、夫婦の生活費としてもぎりぎりだった。

退職金で持ちこたえていたキム氏は最近、仕事を探し始めた。だが、入ってくる仕事は、クレジットカードの配達員や飲食店でのバレーパーキング(代行駐車)のような「アルバイト」のような仕事だけだった。キム氏は、「カード1枚を配達すれば1500ウォン、1ヶ月で40万~50万ウォン稼ぐ」とし、「最低賃金でも受け取る安定的な仕事を見つけたいが、若い人が好まれる」と話した。

キム氏のように、能力や意志とは関係なく低賃金の働き口に追い込まれる高齢者が増えている。9日、東亜(トンア)日報は、最低賃金委員会と韓国経営者総協会が算出したこの5年間(2017~2022年)の「最低賃金未満の給与労働者」の資料を分析した。その結果、昨年の最低賃金(当時の時給は9160ウォン)より少ない給与を受け取った労働者275万6000人のうち、45.5%(125万5000人)が60歳以上だった。最低賃金より低い「超低賃金」の給与を受け取る労働者2人に1人が、高齢者という意味だ。この割合は、2017年は35.6%だったが、2018年は32.5%で多少減ったが、以後着実に上がっている。経済活動が可能な人口のうち、60歳以上の高齢層が30%程度であることを勘案すれば「超低賃金を受け取る高齢者」が急速に増えており、高齢者の雇用の質も悪化しているという。

高齢者は若年層と比べて労働生産性が落ちるため、低賃金であるほど高齢層の割合が高いのは異例の現象ではない。しかし、専門家たちは、その割合が急速に増え、高齢者の働き口をめぐる競争が激しくなっている点に注目する。高麗(コリョ)大法学専門大学院のパク・ジスン教授は、「高齢人口のための『良質』の働き口は少なく、皆が挑戦できる良い働き口は青年たちで先に満たされる」とし、「残った低賃金や単純・短期職に、高齢者はさらに集まるだろう」と話した。


李美智 image@donga.com · 崔惠? herstory@donga.com