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尹・バイデンの初会談、核脅迫が色あせる「同盟の力」を見せなければ

尹・バイデンの初会談、核脅迫が色あせる「同盟の力」を見せなければ

Posted April. 29, 2022 08:39,   

Updated April. 29, 2022 08:39

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が来月21日にバイデン米大統領と初の首脳会談を行うと、裵賢鎮(ペ・ヒョンジン)次期大統領報道官が28日、明らかにした。米ホワイトハウスも、バイデン氏が20~24日に韓国と日本を訪問すると公式発表した。尹政権発足11日後に開かれる超高速首脳会談だ。裵氏は、「両国の包括的戦略同盟がさらに発展する歴史的転機になるだろう」と述べた。

今回の韓米首脳会談は、バイデン氏のクアッド(米国、日本、オーストラリア、インド4ヵ国の協力枠組み)首脳会議の出席を機に前倒しになった面があるが、最近の北朝鮮の核・ミサイル挑発にともなう韓半島情勢に照らして、その緊急性を反映した最適なタイミングと見ることができる。バイデン氏が初めてのアジア歴訪をクアッド首脳会議が開かれる日本ではなく韓国から始めたのもそのためだろう

北朝鮮は最近、核兵器使用の敷居を低くし、対外脅迫を強めた。新政権の発足とバイデン氏の訪韓を狙って7回目の核実験など大型挑発を強行する可能性も少なくない。韓米首脳が肩を並べて拡大抑止の強化と合同軍事演習の正常化など「同盟の力」を誇示することで、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の核脅迫が通用しないことを明確に警告する場にならなければならない。

両首脳間の議題は、北朝鮮核問題の対応だけではない。米中戦略対決の激化とロシアのウクライナ侵攻で新たな冷戦対決の構図が固定化する状況で、民主主義と人権の価値を共有する自由陣営の核心軸として団結した意志を示す機会だ。グローバル・サプライチェーン(供給網)の協力、韓米日3国協力の強化、クアッドの段階的合流を越え、ウクライナに対する人道支援の拡大を通じて、包括的戦略同盟に引き上げる契機にもなるだろう。

米国の尹次期政権への期待は大きい。特に、中国牽制のためのインド太平洋戦略に参加し、韓国が積極的な役割を果たすことを要請している。「グローバル中枢国家」を掲げた新政府の対外構想とも合致する。ただし、その推進過程で外交的摩擦を生む可能性もあるため、速度を調節しながら国益を最大化する洗練されたアプローチが必要だ。バイデン氏が老練な外交専門家なら、尹氏は外交に関する限り門外漢に近い。これから3週間、しっかり準備しなければならない。