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名品兵器

Posted August. 10, 2021 08:04,   

Updated August. 10, 2021 08:04

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欧州の博物館で人気のあるコレクションが中世の騎士の鎧だ。中でも頭からつま先まで覆うフルプレートメイル(板金甲)は、ミリタリーマニアにはロマンの境地だ。高級鎧はほとんどが注文制作なので、鎧ごとに装飾と細かいアイディアが際立つ。美的感覚も優れている。国王と王子用の鎧は実戦も重要だが、パレードに使う効果も欠かせないため、強力さと優雅さを兼ね備えたシルエットでなければならなかった。

名品の鎧、王と貴族の鎧を国家別に見ると、特徴は様々だ。ドイツの鎧を触ったり叩いたりすることはできなかった。欧州でも優れた鍛冶屋の合金技術のお陰で鋼鉄は優秀なようだが、デザインや装飾はみすぼらしい。おしゃれをしたり、動物の彫刻を入れたりするのを見ると、いっそ入れない方がよかったと思える。

芸術の国という先入観とは違って、フランスの鎧は意外に豊富で、実用的で、創意的なアイディアが多い。一番驚くのはイタリア製品だ。黄金の鎧に兜、胴体、盾までものすごい彫刻と装飾。 本当に戦場にあんな芸術品を着て行ったのか疑うほどだ。いくら裕福だとしても、作品が惜しくて着て行くことはできないだろう。

本当に着て行ったという事例があることを知った時は驚いた。戦場で捕らわれ、敵国の博物館に展示されている場合もある。もしかすると買い取ったのかもしれない。とにかく理解し難い。なぜこのように過剰で水準の高い彫刻を鎧に施したのだろうか。

現代の兵器は中世の装備とは比べられないほど高い。デザインもかなり比重が高まった。航空機、戦車、自動小銃まで、性能に劣らずデザインも日増しに重要になる。私たちが皆貴族になったのだろうか。さもなければ20世紀に世を揺るがした徴兵制時代が過ぎ、今や軍人が特殊な戦士の職業になって、兵器でもデザインを重視する騎士、貴族マインドが蘇ったのだろうか。

歴史学者