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結果確定後れる米大統領選、再確認された分裂と対立の構図が予告する不確実性の深化

結果確定後れる米大統領選、再確認された分裂と対立の構図が予告する不確実性の深化

Posted November. 05, 2020 08:56,   

Updated November. 05, 2020 08:56

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米大統領選が3日に終わったが、ホワイトハウスの新しい主の確定は遅れている。トランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領の勝負を分ける選挙人マジックナンバー(270人)を確保できなかったためだ。開票の結果、当初の予測に反してトランプ氏が激戦州で勝機をつかんでいるが、一部の激戦州では最後まで郵便投票を含む開票結果を見守らなければならない状況だ。開票が長引く中、トランプ氏は「大きな勝利(big win)」、バイデン氏は「私たちが勝つ」と勝利を誓った。

このような終盤の混乱は、米特有の複雑な選挙制度に起因する。まず50州のうち22州が選挙日後に到着する郵便投票を認めている。投票が終わるとすぐに開票が行われる韓国とは違って、開票が3、4日ほど遅れることがあり得るのだ。開票序盤に勝負がつかなかった超接戦地域で当選者の輪郭が出てくるのは、早くても今週末になりそうだ。万一、開票結果に承服しなければ、訴訟戦になる可能性も排除できない。この場合、大統領選が終わった後、数週間が過ぎても次期大統領が決まらない未曾有の事態が起こる可能性もある。

これまで米国は、大統領選が終われば承服の文化を通じて大統領選後の混乱を未然に防いできた。しかし、今回の大統領選では、最低限の品位どころか現職大統領が公然と選挙結果を受け入れないことを示唆し、対決局面が繰り広げられた。トランプ氏とバイデン氏の支持者の間で流血衝突が各地で起こった。過去においても大統領選が過熱すれば不祥事が起こったが、これほどではなかった。支持層の結集で選挙だけ勝てば良いという選挙至上主義が勢いを増し、多くの局面で国民統合の牽引役を果たした民主主義システムが危機に直面した。

今回の大統領選で克明にあらわれた米社会の政治的分裂と理念間・人種間・階層間の対立の様相は、次期大統領に誰がなっても統合のリーダーシップを発揮するうえで大きな障害になり、内政はもとより対外政策にも甚大な影響を及ぼさざるを得ない。リーダーシップの乱調は、超強大国米国が持つ世界的影響力を考えると、国際情勢に大きな影響を及ぼすだろう。韓国が受ける北朝鮮の核の脅威をはじめ、対立の火薬庫は世界各地に散在している。

次期米政権のトップに誰がなっても、内政で支持基盤が脆弱なほど対外的に自国優先主義に流れる誘惑にかられるだろう。政治、経済など全方向に拡大している米中覇権競争も継続し、世界経済に暗い影を落とすだろう。輸出依存度が高い韓国としては、米新政権の対外通商政策が曖昧なほど、政策遂行に困難を来たすことになる。米国の次期リーダーシップの危機がもたらす影響に全世界が神経を尖らせる理由だ。