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大統領府が法務部長官の捜査指揮権行使に支持、与党に疑問の声も

大統領府が法務部長官の捜査指揮権行使に支持、与党に疑問の声も

Posted October. 21, 2020 08:31,   

Updated October. 21, 2020 08:31

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大統領府は20日、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の捜査指揮権の発動と関連して、「大統領府は秋氏から捜査指揮権行使について報告を受けなかった」と明らかにした。その一方で、「現状況で捜査指揮は避けられないと見ている」と強調した。事実上の暗黙の幇助の中、秋氏が再び尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長を狙ったことを大統領府も容認したのだ。与党「共に民主党」は、秋氏の相次ぐ行動が年末の定期国会と来年の再・補欠選挙を控え、ややもすると逆風を招くのではないか懸念するムードだ。

●大統領府、捜査指揮権について分からないとしながら「捜査指揮は避けられない」

大統領府は、秋氏の捜査指揮権発動の事前調整がなかったという点を明確にし、その必要性を認めた。姜珉碩(カン・ミンソク)大統領府報道官は同日、記者会見で、「迅速で聖域のない厳重な捜査が必要なため」と説明した。

 

与党内ではこのような大統領府の態度に対して、「事実上、『借刀之計(他人の刃物を借りてことを解決する)』ではないのか」という解釈が出ている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が任命した尹氏を大統領府が直接攻撃できないため、秋氏の手を借りて代わりに攻撃するということだ。

捜査指揮権発動を受け、与党内では前例のない秋氏の「オーバーペース」がいつまで続くか様子を見るムードだ。同党のある重鎮議員は、「私たちにとって最上のシナリオは、秋氏と尹氏が年末の内閣改造前後に同時に退くことだ」とし、「大統領府は、秋氏に特別な負い目があるのではないか」と話した。捜査指揮権発動の影響が出ても、法務部長官を交代して収拾できるという意味だ。

このような認識は、秋氏が親文(親文在寅)陣営と特に政治的接点がないという点も影響を及ぼした。むしろ秋氏は2017年、党代表だった時、文氏の大統領選陣営の構成をめぐって親文陣営と激しく対立した。ある親文関係者は、「秋氏が自分に近い人々の陣営入りを執拗に要求し、楊正哲(ヤン・ジョンチョル)前民主研究院長、任鍾晳(イム・ジョンソク)前大統領秘書室長らと対立した」とし、「あの時のことを考えれば秋氏の入閣は不可能な話だが、曺国(チョ・グク)前法務部長官の辞任が状況を180度変えた」と述べた。

●政府与党・大統領府間会議で「秋氏がどうしてああするのか分からない」

 

与党は、ひとまず表向きは秋氏を擁護しているが、このまま統制不可の状況に突き進む場合、中道・保守陣営は結集することになり、来年4月の再・補選に悪影響を及ぼさないか懸念する声も出ている。

実際に18日午後、ソウル鍾路区三清洞(チョンロク・サムチョンドン)の首相公館で開かれた党・政府・大統領府会議では、秋氏について、「どうしてああするのか分からない」という嘆きの声が出た。秋氏が、韓東勲(ハン・ドンフン)検事長など尹氏の側近を再び除去する過程で、党と大統領府間の調整もなかったためだ。ある出席者は、「首相室だけでなく党と大統領府いずれも秋氏をコントロールできなくなっている」とし、「戦うにしても戦略的に戦う必要があるが、秋氏はむやみに刃を振り回すスタイルではないのか」と話した。秋氏が息子の休暇をめぐる疑惑と関連して、国会で「小説を書いている」などと発言して論議を煽ったことが代表的だ。

そのため一部では、秋氏の「よどみない進撃」が法務部長官後を念頭に置いた戦略的な動きという見方まで出ている。また別の与党関係者は、「秋氏は法務部長官を受諾した際、次期大統領選への夢を見ていた」とし、「尹氏を叩き、『検察改革』を成果として、過去に盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領への弾劾を主導したという政治的烙印を消し、民主党の支持層にアピールする布石」と主張した。秋氏は来年4月に行われるソウル市長選候補にも名前が挙がっている。


韓相準 alwaysj@donga.com · 黃炯? constant25@donga.com