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プーチン氏の政敵ナワリヌイ氏に旧ソ連の化学神経剤ノビチョク使用 独政府が発表

プーチン氏の政敵ナワリヌイ氏に旧ソ連の化学神経剤ノビチョク使用 独政府が発表

Posted September. 04, 2020 08:40,   

Updated September. 04, 2020 08:40

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ドイツ政府が2日、「意識不明の状態になったロシアの野党指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏(44)に冷戦時代にソ連が使った化学神経剤ノビチョクが使われた」と公式に明らかにした。ロシアのプーチン政権がナワリヌイ氏を毒殺しようと組織的に介入した可能性が高まり、欧米のロシア制裁も再び本格化するものとみられる。

ドイチェ・ヴェレなどによると、ドイツのメルケル首相は同日、「ナワリヌイ氏毒殺未遂はロシア政府だけが答えることができ、答えなければならない」とし、真相調査を求めた。ドイツ外務省は同日、ロシアの駐ドイツ大使を呼び出した。ナワリヌイ氏は先月20日、紅茶を飲んだ後、意識を失った。「ロシアの医療陣を信じることができない」という家族と市民団体により、2日後、ドイツ・ベルリンに搬送され、治療を受けている。

ノビチョクは1970年代、冷戦時代にソ連が開発した化学神経剤で、呼吸停止、臓器の損傷、筋肉のけいれんなどの症状が出る。2017年、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の暗殺に使われた「VX」より最大8倍毒性が強い。特に、ノビチョク中毒で死亡する場合、心臓マヒと見分けがつきにくく、粉末で所持して液体にすることができ、追跡も容易ではないと、米紙ニューヨーク・タイムズは伝えた。今でもロシアだけで生産され、高度な訓練を受けた人だけが扱うことができ、ロシア情報局員が関与したと推測されている。

2018年3月、英国でロシアの元情報機関員のセルゲイ・スクリパリ氏と娘に対する暗殺未遂が起こった。5ヵ月後、米情報機関は、「ロシアがノビチョクを使ってスクリパリ氏を毒殺しようとした」と結論を出した。2006年11月にはロシアの元情報局員でプーチン氏を批判して英国に亡命したアレクサンドル・リトビネンコ氏がホテルで不審死した。調査を始めた英政府は10年が経った2016年、「ロシアの要員が毒殺し、プーチン氏が関与した可能性がある」と明らかにした。

スクリパリ氏の暗殺の時も、その後、北大西洋条約機構(NATO)はロシア政府に、「国連の化学兵器禁止機関(OPCW)に保有するノビチョクの量を通知するよう要請した。ドイツはナワリヌイ氏の件もOPCWに付託し、国際調査を始める意向を明らかにした。米国家安全保障会議(NSC)とジョンソン英首相も、ロシア政府に説明を求めた。しかし、ロシアは毒殺未遂を認めず対抗している。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は同日、「ベルリンへの搬送前、ナワリヌイ氏を診断した時、毒物は検出されなかった」とし、従来の回答を繰り返し、毒殺説を再び否定した。


金潤鍾 zozo@donga.com