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英では自販機まで登場した車のオンライン販売、労働組合の反発で世界に後れを取っている韓国業界

英では自販機まで登場した車のオンライン販売、労働組合の反発で世界に後れを取っている韓国業界

Posted August. 20, 2020 08:28,   

Updated August. 20, 2020 08:28

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新型コロナウイルスの感染拡大を受けてグローバル自動車業界では非対面オンライン販売システムが急速に普及している。5年後は欧州で販売される車の3分の1がオンライン販売になるという見通しが出るほどだ。しかし、韓国国内では、依然営業社員とディーラーを通じてしか車を購入できない構造なので、グローバルトレンドに遅れをとっているという声が出ている。

19日、自動車業界によると、フォルクスワーゲンは来月発売する電気自動車「ID3」をオンラインでも販売する予定だ。まず欧州で最初に適用して、徐々に他の地域に拡大する計画だ。フォルクスワーゲンが本格的なオンライン販売システムを導入したのは、ID3モデルが初めてだ。

海外では、自動車のオンライン販売文化が急速に定着している。フォード、ボルボ、ルノーなどはすでに、オンライン販売システムを活発に運営している。2013年からオンライン販売システムを導入したメルセデス・ベンツは、南アフリカとスウェーデンなどでオンライン販売システムを開始し、欧州、豪州などに拡大することにした。米国では、アマゾンなどのオンラインプラットフォームを通じて、50州で自由に複数の自動車ブランドを購入できる。

BMWは昨年、中国最大のショッピングフェスティバル期間である光棍節期間中に、ウィーチャットを通じて車を販売したところ、5分間で準備した100台が完売となった。中国企業である吉利自動車グループは今年初め、オンライン販売網を適用して本格的な販売に乗り出した。

飲み物やお菓子を買うように車を買うことができる自動車の自動販売機も登場した。自動車プラットフォーム会社「オートトレーダー(Auto Trader)」は昨年、英ロンドンでクレジットカードや携帯電話をかざせば透明なガラス扉が開き、展示された車両をすぐに受け取ることができるサービスを開始した。中国広州でも、フォードとアリババが協力して、自動車42台を収容できる5階建ての自動販売機を設置した。

韓国国内でもオンライン見積りサービスなどが部分的に可能だ。ルノー三星(サムスン)は、色や価格など、希望する詳細事項を入力すれば、それに合う見積もりをオンラインで確認後、ディーラーに面会して最終契約を交わすシステムを運営している。韓国GMも、非対面サービスの強化のために、「e-見積相談サービス」を開始した。

しかし、テスラのように対面接触無しに100%オンラインでのみ車両を購入できるシステムは、はるかに遠いのが実情だ。オフライン代理店と営業担当者の売上減少を懸念した労働組合の反対が、最大のネックとなっている。現代自は昨年、ホームショッピング放送を通じた自動車販売を検討したが、労組の反発で計画を中止したこともある。

しかし、非対面文化が広がっているだけに、オンライン販売網の導入は時間の問題との見通しが優勢となっている。専門家らは、職務転換教育などを通じて会社の競争力を追求しながらも、雇用の安定性を損なわない方法を模索しなければならないと強調している。大徳(テドク)大学自動車学科のイ・ホグン教授は、「営業社員やディーラーは、自動車について誰よりもよく知っている専門家だ」とし、「整備技術やコミュニケーション教育を通じて、車コミュニケーターへと業種転換を誘導するのも一つの方法だ」と話した。


鄭智煐 jjy2011@donga.com