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北朝鮮の寧辺核施設、豪雨で一部損傷か 38ノースが分析

北朝鮮の寧辺核施設、豪雨で一部損傷か 38ノースが分析

Posted August. 14, 2020 08:57,   

Updated August. 14, 2020 08:57

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北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)核施設の一部が豪雨で被害を受けた可能性が提起された。

 

米国の北朝鮮研究サイト「38ノース」は12日(現地時間)、「6日に撮影された衛星写真を分析した結果、先月22日に比べて寧辺核施設付近の九龍江(クリョンガン)の水位が急激に上昇し、大規模な洪水が発生した」とし、「これにより九龍江を横切るダムが浸水し、寧辺核施設に冷却水を供給するポンプ施設も浸水した」と明らかにした。38ノースは、九龍江の氾濫で核施設稼動に必要な電力網と冷却水供給施設が被害を受けたと推定した。

 

寧辺核施設は約400の核関連施設が集まっている北朝鮮の核開発の心臓部だ。プルトニウムを生産する5メガワット原子炉と再処理施設、高濃縮ウラン(HEU)を生産するウラン濃縮工場がある。2018年以降、米朝間非核化交渉でも寧辺核施設の永久廃棄が主要争点の1つだった。

専門家たちは、冷却水供給施設が破損し、5メガワット原子炉と実験用軽水炉(ELWR)の冷却水供給に支障が生じたと予想した。これらの施設は2018年以降稼動が停止したとされているが、正常な運営のためには持続的な水の供給が欠かせない。

5メガワット原子炉でウランを燃焼させた後、使用済み燃料棒を再処理すれば、プルトニウムを生産することができる。冷却水が供給されてこそプルトニウムの生産が可能だ。ソウル大学原子核工学科のソ・ギュンリョル教授は、「通常、原子炉を冷却させるためにポンプ室からきれいな水を供給する。ポンプ室が被害を受けて泥水の砂や砂利などが施設内部に流入した場合、復旧に時間がかかる可能性がある」と指摘した。

38ノースは8~11日、衛星写真を分析した結果、増水した川の水位が幾分下がったとみられ、ウラン濃縮工場などの核心施設は大きな被害を受けなかったと推定した。軍当局も、寧辺核施設の周辺が豪雨で一部被害を受けたものの、核施設の稼動に異常を示す特異な動きはないことを確認したという。情報当局も、寧辺5メガワット原子炉は再稼働の兆候がないが、ウラン濃縮工場は稼動を続けているとみていると、消息筋が伝えた。

 

ただし、衛星写真で実際の被害状況を正確に確認することに限界があるため、寧辺核施設が深刻な被害を受けた可能性も排除できない。韓国戦略研究院外交安保センターのシン・ボンチョル・センター長は、「濃縮ウラン工場や(水素弾の原料である)三重水素生産施設などが被害を受けたなら、北朝鮮が核物質の生産に致命的なダメージを受けた可能性がある」と指摘した。


申圭鎭 newjin@donga.com