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ファウチ氏が警告、「経済活動再開、まだ危険」

ファウチ氏が警告、「経済活動再開、まだ危険」

Posted May. 14, 2020 08:05,   

Updated May. 14, 2020 08:05

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「米国のミスター苦言」、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のファウチ所長が12日、上院委員会の公聴会で、「性急な経済再開は苦痛と死を招くことになる」と警告した。新型コロナウイルスの感染拡大後、トランプ大統領に進言してきたファウチ氏が、トランプ政権の早期経済再開の推進に懸念を示した。

ファウチ氏は、「効率的かつ効果的に対応できる能力なしに州が性急に経済活動を再開することは心配だ。小さい感染が大流行につながりかねない」とし、「そうなれば避けられるはずの苦痛や死を招くだけでなく、経済回復にも障害になりかねない」と指摘した。また、「新型コロナウイルスが秋に再び流行することが十分に可能だと予想される」とし、感染拡大の「第2波」を懸念した。

特にファウチ氏は、休校中の学校を再開することを憂慮した。ファウチ氏は、「子どもたちは完全に免疫力があると考えることがないよう注意すべきだ」とし、「子どもたちが学校に戻る秋までにワクチンや治療薬の普及を期待することは無理がある」と述べた。

米国で最大の被害が出ているニューヨーク州では最近、新型コロナウイルスに感染した子どものうち、炎症の症状がみられる患者が続出している。米紙ニューヨーク・タイムズは、州保健当局が症状のある子ども100人を調査しており、半数以上の57%が5~14歳だと伝えた。すでにニューヨーク州だけで、この症状で5人の子どもが死亡した。近郊のニュージャージーやコネチカット州でも類似の事例が出ている。ニューヨーク州のクオモ知事は、「衝撃的な状況」とし、「親が非常に心配している。注意しなければならない」と呼びかけた。

同紙などは、当分の間、新型コロナウイルス感染拡大の収束の見通しが立たないため、カリフォルニア州立大学が9月に始める予定だった2020学年度秋学期を取り消し、オンライン講義に切り替えると伝えた。ティモシー・ホワイト総長は最近、理事会で、「私たちの大学だけで50万人以上が集まる」とし、集団感染や2次感染が懸念されると指摘した。カリフォルニア州立大学の発表は、他の大学にも影響を与えることが予想される。

ファウチ氏は1日、食品医薬品局(FDA)が新型コロナウイルスの治療薬としての使用を緊急承認した「レムデシビル」をめぐって、「臨床試験ではある程度の効果があったが、レムデシビルだけでは十分でない」と述べた。また、「現在、臨床開発段階のワクチンが8つある。国立衛生研究所が製薬会社と協力している」と付け加えた。

 

CNBCは、レムデシビルを開発した米ギリアド・サイエンシズが製薬会社5社と契約を締結し、レムデシビルの海外生産を許可したと報じた。これによって製薬会社5社は、北朝鮮など127ヵ国でレムデシビルを生産できることになった。特に、ギリアド・サイエンシズは、世界保健機関(WHO)が「新型コロナウイルスによる公衆衛生の危機が終わった」と宣言するまで、レムデシビルに対する特許料を取らないことを決めた。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com