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敵から尊重される将軍

Posted May. 05, 2020 07:45,   

Updated May. 05, 2020 07:45

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ロンメルとパットンは、第二次世界大戦が生んだ最大のスターだった。二人とも電撃戦で一世を風靡したが、性格は対照的だった。ロンメルは、典型的な中流階級家庭の出身である。自分の天才性について確信していて、スター意識と出世欲が強かったが、自制心が強く、自己管理を徹底した。部下には確固たる信頼感を与える指揮官だった。

パットンは、米国流新興貴族という基準で、貴族的で大金持ちの家だった。自慢が激しく、人に傲慢に見えることを楽しんだ。ふてぶてしくて嘘もうまく、勝手で悪口を頻繁に口にした。性格が豪放な人は彼が好きだったのかもしれないが、命を預けるには不安だったのだろう。

米国の戦争歴史家・デニス・ショウォルターは当時もそうだったし、今もドイツ軍はパットンを高く評価し、米国人はロンメルをより高く評価すると語った。隣の芝は青く見えるからだろうか?軍事というものは、国を問わず、ある程度は愛国的な偏見が強い分野だ。にもかかわらず、二人が共に相手国でより高く評価されるのは珍しい事例と言わざるを得ない。

同じ電撃戦術でも、二人の戦術は個性が少し違う。ロンメルは敵の隙間を見つけて、遅滞なく食い込み、恐れず快速に進軍しながら敵の脳と手足をかき回すスタイルだった。パットンは、ロンメルより虚勢が強く、いつも大きなことを言ったが、戦術はキツネのようで慎重だった。敵を騙し、こっそり火力を集中した後、短く切りながら板を剥がすようなやり方だった。

もちろん、これは二人の戦術観の違いではなく、彼らが戦っていた環境の結果だったのかもしれない。筆者はその可能性のほうがより高いと考えている。そして多分、これがお互いに相手から尊重される理由かもしれない。パットンの戦術は欧州とドイツの地で実施され、ロンメルはフランスと北アフリカの大草原を走った。結局、すべての人は自分の立場で有用性と価値を判断するしかない。

同じ理由で、二人は同僚から嫉妬された。戦術の基本は他人の立場から見ることだが、それが本当に難しいようだ。

歴史学者


キム・ソンギョン記者 tjdrud0306@donga.com