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ベゾス氏ハッキング、サウジ皇太子が関与か

ベゾス氏ハッキング、サウジ皇太子が関与か

Posted January. 28, 2020 09:06,   

Updated January. 28, 2020 09:06

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サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、「ワッツアップ」を通じて米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏の携帯電話をハッキングしたとされる2018年5月直前、米国や欧州の最高位要人らと会ったことが明らかになった。サルマン皇太子が他の有名人の携帯電話もハッキングしたのではないかという疑いが強まっている。

22日、英紙ガーディアンによると、サルマン皇太子は投資誘致のために2018年3月、米ワシントンと英ロンドンを訪れた。サルマン皇太子は当時、トランプ米大統領、ジョンソン英外相(現首相)、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事(現欧州中央銀行・ECB総裁)、ブッシュ元米大統領のような大物人物に会った。マイクロソフト(MS)創業者のビル・ゲイツ氏、グーグル共同創業者のセルゲイ プリン氏、英ヴァージン・アトランティック・グループ創業者のリチャード・ブランソン氏、アップル最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏、MSのサティア・ナデラCEOら世界的な大企業の経営者とも会った。

サルマン皇太子が彼らとワッツアップで会話したかどうかは確認されていない。しかし、情報技術(IT)機器の使用を好み、側近や知人とワッツアップでしばしば意思疎通するサルマン皇太子の指向を考えると、ベゾス氏に起こったことが他の人にも起こる可能性があるという観測が流れている。特に、サルマン皇太子と格別の間柄であるトランプ大統領の娘婿のクシュナー大統領上級顧問の携帯電話をハッキングした可能性が提起されている。サルマン皇太子とクシュナー氏は、ワッツアップでしばしば連絡を取り合う間柄だという。

国連の特別報告官は同日、ハッキング事件に対する調査を求めた。国連は今回の事件が、2018年10月にトルコ・イスタンブール駐在のサウジ領事館で殺害されたサウジ反政府ジャーナリストのカショギ氏の事件に関連があると見ている。サルマン皇太子は、当時殺害の背後と注目を集めた。カショギ氏が、ベゾス氏が所有する米紙ワシントン・ポストに王室批判の文を掲載することを妨げるために、サルマン皇太子がベゾス氏の携帯電話をハッキングしたということだ。カショギ氏殺害当時、「サルマン皇太子が表面では改革君主であるふりをするが中世専制君主に劣らない暴政を振りかざす」、「国際社会は、サウジのオイルマネーのためにカショギ氏殺害を見て見ぬ振りをする」という論議が起こった。今回の事件まで加勢し、サルマン皇太子のイメージへの打撃は避けられないという観測も流れている。

サルマン皇太子が実際にハッキングした事実が明らかになれば、同盟である米国とサウジの関係にも影響があるとみえる。サウジはすでに国をあげて多様な形のサイバー世論戦を行い、様々な国および企業と対立してきた。世界最大のソーシャル・メディアのフェイスブックは昨年8月、サウジ政府が世論操作行為をしたことが明らかになったアカウント350個を閉鎖した。


李世亨 turtle@donga.com · 朴湧 parky@donga.com