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政策の枠組みは変えないという文大統領、この2年間を謙虚に振り返るべきだ

政策の枠組みは変えないという文大統領、この2年間を謙虚に振り返るべきだ

Posted May. 14, 2019 08:52,   

Updated May. 14, 2019 08:52

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日、大統領府首席秘書官・補佐官会議で「多数の犠牲の上に少数に機会と恩恵が集中していた特権経済の慣れを壊さずには、不平等の泥沼から出ることはできない」と述べた。文大統領はまた、「反則と特権、便法と脱法が当たり前と思われていた不公正の慣れを正さず、公正かつ正義の国は期待できない」と語った。文大統領が政権3年目に入って初めて主宰した会議でこのように強調したのは、所得主導の成長と積弊清算などを柱とした既存の政策枠組みを変えるつもりがないことを明らかにしたのだ。

輸出と投資が共に低迷し、経済成長率が急速に下落したのは、政府が、イデオロギーに偏って現実とかけ離れた政策を押し通したことが大きい。その結果、雇用が減り、所得格差が広がって庶民が苦しんでいるのに、この2年間で失敗したことが判明した「経済実験」を続けるという文大統領の態度は非常に懸念すべきことだ。さらに、今年は米中貿易紛争、ブレグジットなどで対外環境さえ友好的ではない。文大統領から冷徹な現実認識に基づいて柔軟な思考をしなければ、韓国経済はさらに大きな困難に陥ることになるかもしれない。

南北関係を巡る硬直した姿勢も残念だ。文大統領は、「対立して睨み合う対決構図の慣れをそのままにしては、平和と繁栄の韓半島は来ない」とし、「分断を政治に利用する古いイデオロギーの物差しは捨てるべきだ」と主張した。忍耐と対話で北朝鮮を引き出してきた文在寅政府の「平和プロセス」は、ハノイ会談の決裂後、壁にぶつかった状況だ。韓米共助を通じて北朝鮮を圧迫する必要が高まっているのに、そのような要求を古い対決構図に捕われた「捨てるべきもの」と規定する態度は危険な二分法である。

公職選挙法と検察改革関連法案を迅速処理案件(ファストトラック)に指定したことで触発された与野党対立の責任をすべて野党のせいにする態度も問題だ。文大統領が自分で指摘したように、国会が働かなければ、その被害はそっくりそのまま国民のものになる。このような状況で、大統領が直接野党を批判し、善し悪しを問うことはねじれた政局を解決するのに役立たない。むしろ国政運営の最高責任者として先に手を差し出し、統合と協力統治の意志を示さなければならない。必要なら、野党自由韓国党が求めるマンツーマンの党首会談の受け入れも検討する必要がある。

文大統領が残った任期の3年間で成功するためには、この2年間の国政運営の成果を冷静に受け入れることが先行しなければならない。我執と陣営論理に埋もれて一点の失敗も認めない態度は、より大きな失敗につながり、国民の生活を厳しくさせることを覚えておかなければならない。