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「女性科学者を育成してほしい」 30代科学者の気前のいい寄付

「女性科学者を育成してほしい」 30代科学者の気前のいい寄付

Posted June. 21, 2018 09:23,   

Updated June. 21, 2018 09:23

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ディープラーニング分野で学界から注目を集めている若手韓国人科学者が、韓国内大衆向けに行った講演の講演料全額を、女性科学技術者を支援する国内ソーシャルベンチャーに寄付して話題となっている。

その主人公は、ニューヨーク大学コンピュータ科学科のチョ・ギョンヒョン教授(34・写真)。氏は共同研究のために訪韓した今月11日と12日、コネクト財団の招待で京畿道城南市(キョンギド・ソンナムシ)にあるネイバー本社の講堂で、「ディープラーニングを利用した自然言語の処理」と題した講演を行った。8時間200人を対象に行った大規模な講演だった。

海外碩学を招待した席であるだけに、講演料は1000万ウォンに達したが、チョ教授は、「予備女性科学技術者と大学院生を支援するために使ってほしい」として、全額をソーシャルベンチャー「ガールズロボット」に寄付した。

チョ教授は、「普段、韓国はもとより、米国でも理工系分野での女性の活躍と進出はまだ足りないという問題意識を持っていた」と語った。彼がニューヨーク大学学部に開設した「マシンランニング入門」科目は、定員が70人だが、このうち女子大生の数は片手で数えるほど少ない。韓国は米国より状況がさらに劣悪だろうという考えで寄付を決心した。彼は、「米国では、アフリカの科学、工学の発展のために、教授たちが年間何週間も現地を訪れて講義をするなど、地域別、人種別格差を減らす努力をたくさん行っている」とし、「米国の仲間の科学者たちのこのような姿勢からも影響を受けた」と語った。

チョ教授は現在、グーグル翻訳とネイバー・パパゴーなどが採用している「神経網機械翻訳」技術の理論的土台となった記念碑的論文を、2014年に共同執筆して学界から注目を浴びた。「整列と翻訳の同時学習による神経網機械翻訳」というタイトルのこの論文は、20日現在まで3674回も引用されてディープラーニング分野のベストセラーに挙げられる。

最近では、フェイスブックと共同で人工知能(AI)を研究している。大学に在職しながら、勤務時間の20%を他の活動に使えるという利点を活用して、企業と挑戦的研究に取り組んでいる。ニューヨーク大学から徒歩で10分の距離にあるフェイスブックのオフィスに頻繁に出入りして、「対話を通じて結論に到達するAIが可能か」などについて研究している。


ユン・シンヨン東亜サイエンス記者 ashilla@donga.com