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[オピニオン]ブロマンス、男の関係

Posted April. 19, 2016 07:34,   

Updated April. 19, 2016 07:40

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KBSのテレビドラマ「太陽の末裔」で、命がけの作戦のたびに、生死を共にした宋仲基(ソン・ジュンギ=ユ・シジン大尉役)とチング(ソ・デヨン上士役)の関係を「ブロマンス」と呼ぶ。ブロマンスとは、ブラザー(brother)とロマンス(romance)の合成語であり、通常の友情関係を超える男性同士の関係を語る。性的暗示がないことが同性愛とは違う。この言葉は1990年代、米スケートボード専門雑誌で初めて使われたという。多くの時間を一緒にスケートボードを滑った男たちの固い絆を指すために作られた。

◆最近は、政治記事にもこの言葉が使われる。バラク・オバマ米大統領が2015年、インドを訪問した時、ナレンドラ・モディ首相との関係が、メディアでブロマンスに表現された。国連の潘基文(バン・ギムン)事務総長は16日、米ワシントンの世界銀行で金墉(キム・ヨン)総裁に会って、「最近、ブロマンスという言葉があるが、私と金総裁との関係は、それより一際深くて広い」と語った。欧米人たちに取り囲まれた国際機関に於いて、韓国語で気持ちを分かち合えた二人だけの格別な間柄をこのように表現したらしい。

◆ブロマンスの反対側にはロマンスがある。今はざらなことだが、ロマンスが文学の中心の座につくまでは長い時間がかかった。西洋中世の英雄文学はもとより、コルネイユの悲劇までは、ロマンスは英雄ストーリーに押された。ラシーヌの時代になってからようやく、ロマンスが勝利した。19世紀の「エルナーニ」から「シラノ・ド・ベルジュラック」までのロマン主義文学で、ロマンスは神聖視された。20世紀に入って、ロマンスは「天国の子供たち」から「タイタニック」までの映画を通じて、さらに幅広い舞台を占めるようになった。

◆ブロマンスは新しい価値だ。かつての英雄たちはお互いに戦う英雄であり、協力する英雄ではなかった。友情は恋より難しい。男たちは、相手を排除する対象とみなすか、そうでなければ、上意下達の関係に縛り付けようとする傾向が強い。与党セヌリ党は、相手に向かって裏切りの言葉を浴びせかけた末、一緒に崩れた。男同士でも平等な関係に基づいた協力が求められる時代になっている。友情の政治が難しいのなら、適切な善意の競争をしてこそ、生き残ることができる。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員



송평인기자 ソン・ピョンイン記者 pisong@donga.com