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[オピニオン]パリ合意、「モルディブでモヒートを」

[オピニオン]パリ合意、「モルディブでモヒートを」

Posted December. 14, 2015 07:18,   

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12日、第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)が、新気候変動体制合意文の「パリ協定」を採択して閉幕した。2100年まで、地球平均気温の上昇幅を、産業化前に比べ2度より「一段と小さく」保ち、1.5度まで制限するために努力するのが目標となっている。現在、地球の平均気温は、産業革命前より1度上昇した状態であり、今後の温度上昇幅を0.5〜1度に縛っておくという意味だ。一体0.5〜1度がどれほど大変なものであり、化石燃料の終焉という評価まで出ているのだろうか。

◆朝夕に10度以上の温度差を経験している人間にとって、1度はなんでもない。しかし、地球はそうではない。地球平均気温が1度上がれば、万年雪が溶け込み、洪水や干ばつが頻繁に起きる。2度上昇すれば、ほぼ地獄になる。温帯地方は砂漠化し、海は酸性化し、モルディブなどの複数の島国は水没してしまう。「1.5度目標」が盛り込まれたのも、水没危機に瀕している島嶼諸国の粘り強い訴えのためだった。

◆新気候体制が京都議定書と最も異なることは、発展途上国も温室効果ガスの削減に責任を負うことになったのだ。中国やインドの態度変化が最も大きな役割を果たした。それぞれ温室効果ガス排出量において1、3位という弱点も働いたが、両国共に気象異変で、膨大な被害をこうむっている国々だ。途上国は削減目標の履行に拘束力はないが、5年ごとに提出する報告書は相当な圧迫になるだろう。

◆今回の合意の功労者として、米国のバラク・オバマ大統領やフランスのフランソワ・オランド大統領、そして国連の潘基文(バン・ギムン)事務総長が取り上げられている。オバマ大統領は、主催側の繰り返される終了シグナルにも拘わらず、各国の首脳に与えられた3分間の演説時間をはるかに超えて14分間も、新気候体制の必要性を力説した。オランド大統領は、パリテロにも拘わらず、会議を推し進めて、強い意志をほのめかした。任期中大きな治績のない潘総長に、今回の合意は、これまでの不信を振り払う「一発」ともいえる。合意の背後で仲裁努力をしてきた潘総長が、ノーベル平和賞を受賞する可能性もうわさされている。彼らこそ、「モルディブでモヒートを一杯」と自ら祝いたくなるかもしれない

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com