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人足の途絶えたお化け屋敷が三清洞の名所に

人足の途絶えたお化け屋敷が三清洞の名所に

Posted November. 09, 2015 07:20,   

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ソウル鐘路区三鋻洞(チョンノグ・サムチョンドン)は、北村(ブクチョン)観光の中心地だ。北側の端に伸びている「三鋻洞路」に沿って10分ぐらいに歩いていけば、うっそうとした森が魅力な三清公園が現れる。この公園の真ん中に、白樺の柱や小さな黒の煉瓦をこまごまと積み上げた小ぢんまりとした建物が位置している。鐘路区が13番目に作った小さな図書館「三清公園の森の中の図書館」だ。日差しをそのまま感じることができるテラスや温かい感じの木でできたインテリアが魅力的な図書館だ。しかし、当初、この図書館は今のように魅力あふれる場所では決してなかった。

先月28日午前、図書館で小説朗読授業を行っていた北村人心組合のチョン・ジョンア代表(54)は、「どうすることもできないほど陰湿だったんですよ。正直、決して再び足を運びたくないようなところでしたね」と、かつての図書館の姿を振り返った。もともと、この場所には三清公園の売店があった。普段はいつも観光客がにぎわう三清洞だが、辺鄙なところにあったので、売店はなかなか商売ができなかった。

結局、店主が店をたたみ、長い間放置されていた建物は、「お化け屋敷」に変わってしまった。周辺の住民すら近づかないほどだった。頭を悩ませていた鐘路区は、結局、売店の建物を取り壊して、2013年10月、この敷地(206.2平方メートル)に図書館を作った。自然科学と生態学中心の本6000冊を確保した。北欧産の木でできた閲覧席30個を設置すると、やっと図書館らしくなってきた。

これで終わりではなかった。チョン代表は、「森の中の図書館は、手入れの行き届いた共同体が、収益まで生み出すことができたことを示す大変素晴らしい事例だ」と自負している。鐘路区は、図書館の運営権を、三清洞や苑西洞(ウォンソドン)などの北村住民18人が中心となった自立型町共同体「北村人心協同組合」に委託した。外部の人を雇わず、組合員たちが直接週内や週末に交代制勤務をすることで、人件費を大幅に減らすことができた。組合員たちのオーナー意識に支えられ、「図書館がきれいで、大変素晴らしいところだ」という口コミが広まった。その結果、週末は200〜300人が訪れてくることになり、席がないほど、三清洞の中でも有名な名所となった。

鐘路区のキム・ヨンジュン区長は、「三清公園の森の中の図書館は、都市再生をうまく進めば、町全体の雰囲気や経済が蘇ることを示す良い事例だ」と強調した。実際、チョン代表を始め、組合員18人は、それぞれ教師や司書、会計士などの職業を持っていたが、結婚や出産を機に経歴が打ち切られた女性たちだ。しかし、町の図書館で再び働くことになり、収益を上げる「雇用創出効果」も現れている。チョン代表は、「口演童話や詩の創作、細密画教室など、今運営中の34件のプログラムをさらにアップグレードし、自然科学図書をもっと購入して、うちの町の知識の宝物倉庫の役割と憩いの場としての役割を果たすことができるよう、ベストを尽くしていきたい」と話した。