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[社説]訪米を延期した朴大統領、国内外のMERS不安を鎮めなければ

[社説]訪米を延期した朴大統領、国内外のMERS不安を鎮めなければ

Posted June. 11, 2015 07:33,   

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朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が14〜19日まで予定されていた訪米を延期すると10日に発表したことは、中東呼吸器症候群(MERS〈マーズ〉)コロナウイルスの感染拡大を憂慮する世論を考慮した政治的決定とみえる。昨年のセウォル号沈没事故に続き、今回のMERS発症事態でもお粗末な初動対応で政府に対する不信が高まり、朴大統領としては国民の安全と生命を優先する態度を示す必要があったのだろう。

米国も国内事情が思わしくない場合、大統領の海外歴訪を延期する。東亜(トンア)日報は9日、「朴大統領、MERSを鎮圧して訪米せよ」という社説で、MERS2次拡散の遮断に失敗した場合、国民の怒りが高まる恐れがあることを指摘した。オバマ大統領の多忙なスケジュールのため韓米首脳会談の日時を再調整することは容易ではないが、両国が明らかにした通り双方に都合のよい早い時期に首脳会談が開かれるよう政府は外交能力を発揮しなければならない。

朴大統領が訪米を4日後に控えて延期したことによる外交負担はもちろん小さくない。安倍晋三首相の4月の訪米に続き、中国の習近平国家主席も9月に訪米する予定なので、韓国も首脳会談を通じて堅固な韓米同盟を強調する必要がある。北朝鮮の核ミサイル実践配備の状況が、5000万の国民の生存を脅かしていることも事実だ。韓国のMERS感染拡大への不安が国際社会に広がる可能性もある。

このような負担を顧みずに訪米を延期した朴大統領は、それだけ確固たる覚悟と責任感でMERSの感染拡大を封じ込めなければならない。まだコントロールタワーがどこなのか混乱しているため、政府内でも意見が錯綜している。韓国と世界保健機関(WHO)の合同調査団は10日に公開した「韓国政府勧告事項」で、MERSの拡散と学校は関係がないため、現在休校している学校の授業再開を考慮するよう勧告した。にもかかわらず教育部は10日に、MERS感染の憂慮の程度と地域の状況を考慮して市・道の教育長が決定するよう休校ガイドラインを出しており、連携がうまくいっていない。

今、私たちに必要なことは、中央政府と地方自治体、与野党を問わず、全国民が一致協力して感染病を退治するという総力戦の姿勢だ。命をかけて国民の生命と安全に対応する医療スタッフを激励し、小さな咳でも隣の人に配慮する市民意識を発揮しなければならない。大統領は、これらすべてのことを統括する「MERS総司令官」とならなければならない。既に韓米首脳会談という重要な外交日程まで延期したのだから、朴大統領が首相空白状態の内閣と大統領府を指揮し、MERS関連の国内外の不安を鎮めることを望む。