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北ソウル美術館、「青春をプレゼント」する美術館

北ソウル美術館、「青春をプレゼント」する美術館

Posted April. 06, 2015 07:14,   

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「最近、映画を見る楽しみに嵌っている。昔の思い出も一杯あるし」

先月24日午後、ソウル蘆原区(ノウォング)のソウル市立北ソウル美術館を訪れたイ・ヘンジャさん(72)が、うきうきした表情で話した。イさんは、映画を見るため、この日、美術館地下1階の青春劇場を訪れた。青春劇場とは、毎週火曜日午後2時にオープンする無料劇場。地下鉄やバスまで乗り換えなければ来られないところだが、火曜日になれば、美術館を訪れるのがイさんの日課となっている。劇場観客の大半は、イさんのように60〜80代の高齢者だ。

青春劇場が一般劇場と異なることがいくつかある。まず、指定席がない。来る順番で希望する席に座ればいい。ポップコーンなどのおやつを売る売店もない。映画に先立って、広告の代わりに歌謡番組が上映される。チケット販売所の代わりに、美術館や区役所のさまざまなニュース、健康情報を伝える案内テーブルが劇場の片隅を陣取っている。

これまで、シニア世代のための映画館では、主に思い出の映画のみ上映してきた。青春劇場は30〜40年前の思い出の映画だけでなく、「マンマ・ミーア」や「マルアトン(マラソン)」など、2000年以降に公開された比較的最新の映画も披露している。同日に上映された映画も、2011年に公開された「あなたを愛します」(チュ・チャンミン監督、2011年)。老年の美しい愛を描いた映画を見にきた人たちで、300席規模の観客席は映画開始30分前に満席となった。

元々、青春劇場は2012年11月、蘆原区役所の小講堂にオープンした。昨年までは2万5000人余りが青春劇場を訪れた。今年1月、青春劇場が北ソウル美術館に移転した。画面や音響施設は、マルチフレックス映画館に劣らず、公園も近いので、高齢者たちの満足度も高い。劇場の人気のため、美術館も活気が溢れている。映画が上映される火曜日は、美術館のいたるところが高齢者たちで賑わっている。火曜日の平均入場客は、昨年は800人余りだったが、青春劇場オープン後、1100人余りへと伸びた。

週末は、幼い孫娘や孫息子を連れてくる高齢者観客も伸びている。蘆原区役所の金星煥(キム・ソンファン)区長は、「おじいさんやおばあさんたちがもっと気軽に映画を楽しみ、他人と触れ合うことのできるチャンスを与えるために、青春劇場をオープンした」とし、「今は、自然に美術館にも足を運ぶことになり、『美術は難しい』、『美術館は美術を知る人のみ行くところ』という偏見もなくなった」と話した。