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[オピニオン]韓非子と運転手

Posted June. 20, 2014 04:26,   

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「君主の悩みは人を信じることによる。人を誤って信じれば、その人によってコントロールされることになる。君臣は血縁で結ばれた関係ではない。臣下は君主の権力に押さえられ、しかたなく仕えるに過ぎない。臣下は君主の心をのぞくことになるので、少しの間も油断してはならない。「春秋戦国時代、韓の貴族、韓非子は君主と臣下、指導者と部下は互いの欲望を追求するために闘争する関係だと書いた。部下の心が変わったことに気づかず、忠誠心に溢れていると感じる場合、危険に直面する恐れがあると警告した。君主と臣下は互いに徹底して計算する間柄ということだ。

◆紀元前221年に中国を統一した秦始皇は、韓非子の理論を統治原理とした。性悪説を主唱した荀子の弟子が韓非子だ。朝鮮時代、三綱五倫では「君為臣綱(臣下の君主に対する忠)」と「君臣有義(君主と臣下の間柄は道義を守ることが大切)」が強調された。君主と臣下の関係を父子や夫婦のような運命的な関係と見るのだ。民の忠誠心、義理を強調する。

◆与党セヌリ党の朴商銀(パク・サンウン)議員の運転手が現金3000万ウォンが入ったカバンを持って検察に行き、不法政治資金だと通報した。社会的に注目を集める収賄事件にもれなく登場する人物が運転手だ。崔時仲(チェ・シジュン)元放送通信委員長、金賛慶(キム・チャンギョン)未来貯蓄銀行会長、千信一(チョン・シンイル)セジュンナモ会長、洪思徳(ホン・サドク)元セヌリ党議員の金品事件には運転手が現れる。「昼間の話は鳥が聞き、夜の話はネズミが聞く」という言葉があるが、後部座席の主人が電話で話す内容まですべて聞いているのが運転手だ。

◆朴議員の車では、後部座席の主人と運転手は「同床異夢」だったようだ。金の入ったカバンを持って検察に通報した運転手を「恩をあだでかえす」と非難することも、正義を実現したと拍手することも曖昧だ。韓非子のように警戒するか、さもなければ墓まで持って行くほど良い関係を築かなければならないのか。裏切りを恨む前に車の主人の行動から正さなければならない。

崔永海(チェ・ヨンヘ)論説委 yhchoi65@donga.com