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「金融の三星電子」を育成するためには

Posted November. 28, 2013 05:49,   

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金融委員会が昨日発表した「金融業の競争力強化対策」は、金融会社の革新やグローバル進出を拡大し、10年内に国内総生産(GDP)比金融業の付加価値を、10%(現在は6%)にまで引き上げるという目標を掲げた。国内銀行の海外中間持株会社を認め、海外進出や与信専門業の規制を緩和し、技術格付け機関を新設し、起業を活性化する内容が盛り込まれている。

これまで、経済の高度成長を支えてきた金融業は、08年のグローバル金融危機以降、成長性やダイナミックさが落ち、繰り返される金融事故で、国民からの信頼まで失った。高齢化時代の到来や高成長が容易ではない成熟経済への進入、要素投入中心から創造や革新への成長エンジンの切り替えなど、経済全体のパラダイムが変わっている中、政府と金融業界はともに、新しい活路を見出そうとする努力が足りなかった。現政権の発足後も、経済活性化対策が、実体経済中心に行われ、金融産業をないがしろにするという批判が持ち上がってきた。

金融は、資源の効率的配分を通じて、実体経済を支えるのはもとより、その自体で高付加価値を生み、良質な雇用を創出する成長エンジン産業だ。経済の基本インフラであり、ここでシステム上の危機が起きれば、国民経済全体が危うくなる。先進経済への進入のために、金融産業の先進化と金融市場の安定、ともに放棄できない価値を持っている。

韓国金融の競争力は、先進国に比べ、また、実物産業に比べ遅れを取っているのが事実だが、高度の情報技術(IT)や優秀な人材を確保しており、跳躍する可能性が高い。優秀な金融人材の体系的育成、金融会社の規模拡大や兼業化を推進し、金融特区の調整について、深く考慮する必要がある。金融の三星(サムスン)電子、韓国のゴールドマンサックスを育成する時期に来ている。

同日の発表では、具体的かつ手に取るような代案が多く示された。かつての政権が発表し、有耶無耶となったものの中からも、必要なものを選び出し、しっかり実施しなければならない。韓国金融が先進国に比べ遅れているのは、当局の監督がずさんなためではなく、収益モデルを見つけようとする金融会社の自発性まで食い止めた過度な規制や口出しのためだ。規制緩和にさらに拍車をかけなければならない。

金融産業の「先進化」について議論する前、「正常化」から先に手がけなければならない部分もある。金融公企業を戦利品かのように考え、政権が変われば、側近を送り込む天下りの人事が代表的例だ。さらに、民営化され、政府が口出しする権限のない金融会社の人事まで、政府が牛耳ろうとしてはならない。