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[オピニオン]垂直離着陸機

Posted October. 19, 2013 06:07,   

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滑走路が無いところでも離着陸が可能な航空機は、強大国の長年の宿願だった。いくら最先端の飛行性能と戦闘力を持つ戦闘機でも、滑走路が破壊されれば無用の長物だ。四方に開けた広々とした空間に構えている飛行場は、敵の攻撃の第一の標的で、防御に脆弱だ。第二次世界大戦の終盤に登場したヘリコプターは、離着陸場所の制約を画期的に克服したが、戦闘力と機動力の不足という限界を克服することができなかった。

◆垂直離着陸機戦闘機開発のファーストムーバー(先発者)は断然英国だ。1960年10月、強力な推進力を備えたジェットエンジンのノズルを地面と水平または垂直方向に自由自在に動かすことができる推力可変(Vectored Thrust)方式で武装した「ハリアー」シリーズの開発に成功した。実戦配備は、それから9年後。ハリアーの真価は、1982年、地球半周の距離である1万3000キロを飛んでのフォークランド戦争で確認された。軽空母でも自由自在に離着陸ができ、作戦を展開することができたSEAハリアーに、アルゼンチンのホームアドバンテージは決定的な影響要因にはならなかった。

◆先日、大韓(テハン)航空が開発した垂直離着陸の無人航空機(KUS−TR)がテスト飛行に成功したという話だ。プロペラが地面と垂直・水平に転換される方式では、世界で初めて実用化された垂直離着陸無人機モデルだという。すでにオスプレイという軍用の垂直離着陸機を持ち、各種無人機を数多く運用している米国が2006年に試験段階の墜落事故で開発を打ち切りにした方式を、我々が独自技術で成功させたのだから驚きだ。軍事強国のロシアや無人機市場の主要2ヵ国(G2)に挙げられるイスラエルもお手上げした分野だ。

◆ただ、今現時では、垂直離着陸無人機の需要は殆どないようだ。物が欲しい人がいなければ、開発をしても手に取るものは余りなさそうだから、今のところは絵に描いた餅かもしれない。価格も1台当たり150億ウォンを超えるという。我々が一歩先を歩き始めた技術革新が、人類の発展と応用分野に、どれだけ貢献できるのかに気になる。広大な滑走路がなくても済むのだから、離着陸の騒音問題さえ解決されれば、ソウル駅などの都心にも空港が作れるというのだが…。その日は、いつ頃になるだろうか。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com