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北朝鮮の歴史見直し、韓米協力の結実

Posted August. 26, 2013 03:46,   

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北朝鮮を研究する学者にとって重要な技術の1つが、公刊文献の行間をよく読むことだ。「金日成(キム・イルソン)回顧録」、「金正日(キム・ジョンイル)選集」といった最高指導者の発言録や労働新聞などが発表する文をそのまま信じてはならない。北朝鮮当局は、「金氏王朝」を称賛して体制を美化するためなら、事実を歪曲し、誇張、隠蔽することに躊躇(ちゅうちょ)しないためだ。

そのため、金日成主席の日本植民地支配期の抗日運動史から始まり、1948年の「朝鮮民主主義人民共和国」建国後の北朝鮮現代史の各所に、外部世界が検証して正さなければならない箇所が少なくない。その作業は、北朝鮮という国家が消えた後も続くかも知れない。米国の冷戦史研究のシンクタンク、ウィルソン・センターが22日に公式に立ち上げた「韓国現代史ポータル」は、その作業のための重要な一歩と言える。

サイトは、ウィルソン・センターが2006年から進めてきた「北朝鮮国際文書調査事業」の成果を集大成した結果だ。過去、平壌(ピョンヤン)に駐在した東欧社会主義同盟国や中国など数十ヵ国の外交官が現場で見聞きして確認した事実を本国に報告した「外交文書」を発掘して集めたものだ。サイトでは、「北朝鮮核開発史」や「金日成対話録」、「プエブロ号事件」などテーマ別に世界の約40の文書倉庫から発掘された外交文書を閲覧できる。

事業の責任者であるウィルソン・センターのジェームス・パーソン局長(歴史学博士)は22日、記者会見で、「サイトは米国でなく韓国の事業」として韓国側パートナーの功労を称えた。実際、北韓大学院大学は教授を米国に派遣し、文書発掘に参加した。外交部の韓国国際交流財団は、文書発掘とサイト立ち上げに必要な費用を援助した。「北朝鮮の歴史を正す」ために韓米が協力したのだ。

韓米同盟60周年の今年、両国政府は華やかな記念行事と各種事業を通じて還暦を迎えた両国関係を祝い、60周年のビジョンを協力して立てるために奔走した。「韓国現代史ポータル」は、両国の民間シンクタンクと学界、そして「半官半民」の公共外交が力を合わせて誕生させた同盟60年の意味深い成果と言える。正しい北朝鮮史の確立は、統一の文化的基礎になるという点でなおさらだ。

ウィルソン・センターは、北朝鮮の外交文書を収集、翻訳して1週間単位でサイトに公開する予定だ。資料不足の中、北朝鮮史を正そうと努力してきた学者がサイトの顧客になりそうだ。「真実はいつか明らかになる」という警告を通じて、北朝鮮当局に少しでも歪曲のない歴史を記述させることも、サイトの純機能のひとつだろう。