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悩みの種だった済州島の溶岩塩水、産業資源に生まれ変わる

悩みの種だった済州島の溶岩塩水、産業資源に生まれ変わる

Posted July. 30, 2013 03:03,   

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「これまで歩いていた土の下に、こんな貴重な資源が隠れていたなんて、不思議ですね」

済州道済州市舊左邑漢東里(チェジュド・チェジュシ・クザウブ、ハンドンリ)の住民・カン某氏(62、女)は、24日オープンした町の周辺の済州溶岩海水産業団地の済州テクノパーク「溶岩海水産業化支援センター」をみて回りながら、目を丸くした。カン氏は、「ほかの町では、きれいな地下水が出ているのに、ここでは塩水が出てきたため農業には苦しんだが、その塩水の使い道が限りなくあるという言葉を聞き、新たな宝物を見つけたような気がする」と話した。

30〜40万年前から済州島の地下に埋もれていた溶岩海水が、日の目を見始めている。溶岩海水は、浸透圧作用によって、海水が島の地下に入り、玄武岩層にたまった水だ。味をみると一般の海水のようにしょっぱいが、人体に有益な成分が多く含まれているという。この溶岩海水を、産業用資源として活用する事業を、溶岩海水産業化支援センターが主導している。

●溶岩海水が産業資源として生まれ変わる

同センターは、地下130メートルから吸い上げた溶岩海水から、飲用適合水や機能性飲料などを作る逆浸透圧装備や電気透析装置を用意した。片方では、野菜の水耕栽培や海洋生物の人工養殖などのための水槽を用意した。19万5000平方メートル規模の溶岩海水産業団地に進出する企業に、溶岩海水を供給し、品質管理も担う。

溶岩海水は、海水であるため、一般の海水や海洋深層水などと、ナトリウムやマグネシウムなどの成分は似ているが、人体に有用且つ貴重なミネラル成分のバナジウム(0.015ppm)やセレニウム(0.013ppm)、亜鉛(0.019ppm)、鉄(0.015ppm)などが、割合豊富に入っている。岩盤層を経て自然にろ過され、「綺麗な地下水資源」になったことも強みだ。

●活用の可能性が限りない

現在埋蔵された溶岩海水は、27億トンと推定されている。1日1000トンの生産基準でも、約7500年も使える量だ。吸い上げた分だけ海水が入って満たすため、資源枯渇の懸念がなく、事実上無限な資源ともいえる。

溶岩海水の活用は多岐にわたっている。飲み水はもとより、豆腐やヨーグルトなどの食品の原料としても使うことができ、機能性飲料としても開発できる。清浄水が必要な化粧品の原料として使われ、環境にやさしい農作物の栽培にも有利といえる。溶岩海水を精製して残ったナトリウムは、天然塩として商品化できる。

溶岩海水産業団地への進出を申請した企業各社も、この可能性を目にし、投資を急いでいる。飲料や食品、塩、化粧品などを製造する5社が敷地の分譲を受け、来年、溶岩海水を活用した試作品を発売する予定だ。これらの製品は、溶岩海水認証ブランドである「バラヌール(Baranul)」をつけて発売される。海と地を意味する古語である「バラ」と「ヌール」とをあわせた造語だ。テクノパークのキム・ビョンホ溶岩海水産業団長は、「日本や米国など、海外の有名水質認証機関からも、安全性や清浄性を認められた。枯渇の危険無しに、持続的に利用可能な資源であり、競争力がある」と話した。