Go to contents

グローバル危機の中でも対米貿易黒字は44%増

グローバル危機の中でも対米貿易黒字は44%増

Posted March. 11, 2013 05:23,   

한국어

韓米自由貿易協定(FTA)が15日付で、発効から1年を迎える。グローバル経済危機後、伸びていた韓国の輸出が昨年、減少に転じたにも関わらず、米国向け輸出や貿易収支の黒字が大幅に伸びた主要原因に韓米FTAが取り上げられるほど、同協定は韓国経済に大きく貢献している。しかし最近、日本や欧州連合(EU)などが、米国などとのFTAに攻撃的に乗り出し、グローバル通商地形が早いテンポで変わっているだけに、FTA先取り効果を引き続き享受するためには韓国は早急にグローバル通商戦略を見直すべきだと、専門からはアドバイスしている。

●韓米FTAは経済危機の安全弁

10日、関税庁や韓国貿易協会によると、韓米FTAが発効した昨年3月から今年1月にかけて、韓国の対米輸出額は計538億ドル(約58兆6000億ウォン)、輸入額は計391億ドルだった。前年同期比、輸入は7.35%減少したが、輸出は2.67%伸びた。貿易収支の黒字規模も、同期間102億ドルから147億ドルへと、44%急増した。

梨花(イファ)女子大学の崔源穆(チェ・ウォンモク)教授(法学)は、「グローバル景気低迷の影響を受け、米国から輸入した金額が減るなど、二国間貿易規模の拡大効果は予想には及ばなかったが、米国向け輸出増加は、韓国内の景気低迷を食い止めるなど、FTA効果がはっきりと裏付けられた」と評した。

業種別には、自動車部品や機械類、ゴム製品などの輸出の伸びが目立った。昨年3月から今年1月にかけて、米国向け自動車部品の輸出額は、計52億2738万ドルと、前年同期の46億4296万ドルより、12.6%伸びた。特に、日本やEUなど、ほかの先進諸国への輸出が減少しているのに比べ、今年1月、米国向け自動車部品の輸出額は、計4億9600万ドルと、昨年同月より22.6%伸び、増加の勢いにさらに拍車がかかっている。

米国に工場を建設して「米国製(Made in USA)」と分類された日本やドイツ自動車の輸入が伸び、自動車部品などに比べ効果は下がったが、自動車も同様に、同期間、対米輸出額は計102億1565万ドルと、前年同期より21.2%伸びた。自動車のほか、ガソリン・軽油などの石油製品は19.2%、機械類は16.6%、ゴム製品は7.3%ずつ、対米輸出が伸びた。

当初、大きな被害が懸念されていた農業分野も、善戦したという評価が多い。米国産オレンジやチェリーなど、果物の輸入が急増したが、農産物全体の輸入額は46億ドルから38億ドルへと、かえって17.4%減少した。米国を襲った干ばつで、米国産トウモロコシの輸入が大幅に減少し、韓国牛の価格下落を受け、米国産牛肉の輸入も減少したためだ。一方、キムチや海苔、紅参(高麗人参を蒸して乾燥させたもの)の調剤品など、韓国産農産物の対米輸出は、計3億5200万ドルと、前年度より12.5%伸びた。

農水産食品流通公社の関係者は、「昨年、米国産農産物の輸入減少に干ばつなどの影響があっただけに、予断はできないが、韓米FTAを受け、国内農産物の米国内での価格競争力が高まったのは、鼓舞すべき現象だ」と主張した。

●日米の攻撃的通商政策で課題山積

韓米FTAによる米市場の先取り効果を最大化させるためには、これからが重要だというのが、専門家らの見方だ。世界の通商環境が早いテンポで変わっている中、韓米FTA効果はまだ、大手企業にのみ集中しているなど、解決しなければならない課題が山積しているからだ。特に、米国はもとより、日本やEUなどの先進諸国が攻撃的通商政策に乗り出しているのは、韓国には大きな負担となっている。日本が、米主導の多国間自由貿易協定である環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加にスピードを出している中、米国もEUとのFTAを急いでおり、韓米FTA効果は、予想より早いテンポで減少することもありうる。

それに向け、韓国は、韓中FTAの本交渉を適時に開始し、韓中日FTA、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国との域内包括的経済パートナーシップ協定(RCEP)などを通じて、韓米FTAのシナジー効果を出す計画だ。

慶熙(キョンヒ)大学の鄭璡泳(チョン・ジンヨン)教授(国際学)は、「米国が通商分野で大々的な攻勢戦略を推進しているのに、新政府は政府組織の再編問題に手足を縛られている」とし、「通商省庁が一日も早く正常化し、韓米FTAを含めて中長期的FTA戦略をまとめなければならない」と強調した。

中小企業各社の韓米FTAの活用拡大や開城(ケソン)工業団地での生産製品を韓国産として認めてもらう問題も残った課題だ。

崔源穆教授は、「ややこしい原産地証明手続きなどで、昨年12月現在、韓米FTAの活用率は66.1%に止まっている」とし、中小企業のFTA活用を支援するなど、新政府は一日も早く、韓米FTAの後続作業を進めなければならない」と指摘した。



weappon@donga.com