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[オピニオン]金鍾仁、李廷雨、張夏成

Posted October. 06, 2012 07:29,   

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民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)大統領候補が李廷雨(イ・ジョンウ)慶北(キョンブク)大学教授を候補陣営の経済民主化委員長に任命し、「経済民主化」を巡る政策競争で金鍾仁、李廷雨、張夏成の3氏がそれぞれ有力3候補陣営に布陣する構図となった。3人はいずれも経済民主化を提唱しているが、それぞれの経験や経済哲学的な基盤はまったく異なる。

◆セヌリ党の金鍾仁・国民幸福推進委員長は、朴正煕(パク・ジョンヒ)政権時代に西江(ソガン)大学教授として第4次経済社会開発5ヵ年計画の立案に参加した。韓国の高度成長を主導した、いわゆる「西江学派」である1987年に現在の憲法が作られるとき、民主正義党国会議員として憲法第119条2項の経済民主化条項を押し通した主役だ。「従来の憲法条項と大差ない」と過小評価する声もあるが、新旧の条文を比較すると、憲法に経済民主化の表現を初めて導入しているだけでなく、均衡成長、所得配分、市場の支配と経済力の乱用といった概念を新しく整理して盛り込んでおり、以前の認識とはレベルを異にしていることが分かる。

◆李廷雨教授は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権下で大統領府政策室長を経験し、「盧武鉉の男」と呼ばれる。だが、盧政権が韓米自由貿易協定(FTA)を進めると、2006年に大統領政策特別補佐官として交渉中断を求める声明の発表を主導するなど、事案によっては政権に反対の意見を明確にした。所得配分論を専攻し、成長より配分を重視する代表的な進歩派経済学者だ。土地から発生する不労所得である地代をすべて税金で取り上げるべきだと主張する「ヘンリー・ジョージ研究会」で活動したことも目を引く。安哲秀陣営の張夏成高麗(コリョ)大学教授は、1998年に三星(サムスン)電子の株主総会に小口株主を代表して出席してオーナーの専横と変則的な相続を告発し、総会は13時間も続いた。このため「財閥の閻魔大王」という異名を得たが、韓国大企業の経営の透明性向上に大きく貢献した。張教授の経済哲学は、資本主義の基本的原則である「株主による支配の充実」である。

◆3人の経済観はそれぞれ異なるが、3人が身を預けた各陣営で検討している福祉、増税、家計負債、大学授業料などに関する政策は殆ど似ている。いわゆる「政策収斂」現象というもので、一般的に社会に厚みが増し進化するときに現われる。だが、一方では「福祉拡大に対する有権者の期待が高まり、各陣営が票だけを意識したために現われた現象」という見方もある。

虛承虎(ホ・スンホ)論説委員 tigera@donga.com