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為替戦争が韓日関係に飛び火か

Posted October. 15, 2010 08:20,   

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為替戦争が日々激しさを増している。この戦争の火種だった、米国と中国とのいわば「G2の戦い」は、やや落ち着きを見せているものの、「黒字先進国対赤字先進国」、「先進国対新興発展途上国」へと戦線が広がり、いよいよ韓日間の対立へと繋がった。為替レートを巡る攻防の性格からみて、「自分がするならロマンス、他人がすれば不倫」というように、身勝手に「人のせい」にしやすい素材であるからだ。

金融サミット(G20)議長国として、為替問題の解決に向け、指導的な役割を果たさなければならない韓国も、日本からの直撃を受け、戦争の一当事者として、防御的な対策を模索しなければならない立場に追い込まれている。

●G20議長国にまで飛び火した為替の火種

「あるまじき未曾有の状態だ。日本は典型的な水増しや人の足を引っ張る戦略を取っている。絶対巻き込まれてはならない」

政府高官は14日、日本に向け、高ぶった口調でこのように語った。菅直人日本首相と野田佳彦財務相が13日、衆議院予算委員会での対政府質問で、韓国を中国と共に、為替市場への介入国として公に名指したことについて、「あるまじきことだ」という。政府省庁の他の高官は、「日本の狙いは結局、『韓国はG20議長国であり、ウォン切り上げの模範を示すべきだ。それによる経済的な恩恵は我々(日本)が享受しよう』ということに他ならない」と主張し、「そのような狙いが分かるから、なおさら憤慨せざるを得ない」と語った。

韓国政府にとって、来月11日と12日に開かれるG20ソウル首脳会議で、為替戦争の火種を抑えなければならない理由がはっきりしている。まず、為替問題が、これまで1年以上も準備してきた中核議題である、△国際通貨基金(IMF)クォーター改革、△グローバル金融安全網、△開発イッシュなどを覆う状況になってはならない。また、李明博(イ・ミョンバク)大統領が最近懸念した通り、為替戦争が拡大され保護貿易主義へと流れる場合、グローバル金融危機後、経済協力開発機構(OECD)のメンバー国の中で、最も早い回復振りを見せていた韓国経済にも、暗雲が立ち込めることは目に見えている。

しかし、その戦線が拡大を続けており、敵味方の区分すら容易ではない状況へと突っ走っている。米国と中国とのG2の対立は、8‾10日、米ワシントンで開催されたIMF・世界銀行(WB)年次総会で、「赤字の先進国対黒字の先進国」、「先進国対新興途上国」の様相へと発展した。代表的な黒字先進国であるドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務長官は、「ドイツの黒字は為替ではなく、国家競争力のためだ」と主張し、「グローバル的な不均衡問題を黒字国の為替から求めず、赤字国の内部からも求めるべきだ」として、事実上アメリカを名指した。ブラジルのマンテガ財務相は、「1985年のプラザ合意のような、国際的な為替レートの管理体制がおらず、ブラジルは人為的に流入資本の調整措置を取らざるを得ない」と述べ、「自分の生き残りだけに夢中になっている先進諸国」を攻撃した。インドやタイ政府も、「世界市場の流動性が新興諸国に偏り、脅威となっている。これに立ち向かう(為替市場への介入)つもりだ」と明らかにし、ブラジルと同じ列に加わった。

●為替戦争の防御策を探す韓国政府

韓国政府も、タイやブラジルなどのほかの新興諸国と共に、「外貨流動性の締め付け」に加わる動きを見せている。

韓国銀行・金融通貨委員会(金通委)はこれまで、市場に対し基準金利引き上げのシグナルを着実に送ってきたにも関わらず、14日、結局、金利の据え置きを決めたことがその代表だ。韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は、「右ウィンカーをつければ、右折する」と述べ、従来の金利引き上げの発言を再度強調してきた。しかし金総裁は同日、金通委で金利の据え置きを決めた後の記者会見で、「最近、国際金融の現状が緊迫しており、その事案(為替)を巡り、多くの金通委員らが悩み、考えた」と言い、「苦悩に満ちた決定だった」と話した。

金通委は同日発表した通貨政策方向の決定文でも、「金融市場で、外国人の証券投資資金の流入拡大などの影響で株価が値上がりし、為替や市場金利は下がっている」とした上で、「今後、通貨政策は堅調な成長が続く中、物価安定の維持を図るものの、国内外の金融経済の現状を総合的に考慮し、実施することになるだろう」と明らかにした。先月の基準金利の据え置きの際には触れなかった内容だ。

最近、金融当局も、外国人の債券投資の利息所得に課税する案を検討している。11日、国会金融委員会の国政監査で、陳棟洙(チン・ドンス)金融委員長は、「(債権投資の源泉徴収税免税措置の廃止は)金融委の所管事項ではないが、関係省庁と協議する」と明らかにした。

民間金融圏でも、溢れる外貨資金を減らしていく案を探している。その代表として、各銀行は外貨預金の金利引き下げの検討に入っている。



bookum90@donga.com achim@donga.com