日本で抗生剤の効かないスーパーバクテリアに9人が感染し、死亡したことが明らかになり、隣接している韓国も、緊急体制に入っている。
疾病管理本部は6日、日本で問題となった多剤耐性アシネトバクター(MRAB)は、世界で数度に渡って見つかった耐性菌だが、治療が不可能な菌ではないため過度に懸念する必要は無いと明らかにした。
疾病管理本部の權逷郁(クォン・ジュンウク)管理課長は、「これまでスーパーバクテリアは、1996年に日本で発見されたRSA(バンコマイシン耐性黄色葡萄状球菌)があったが、00年に治療剤が開発され、今は真の意味でのスーパーバクテリアではない」と主張し、「00年以降、全ての薬に耐性を持つスーパーバクテリアは今まで、報告されたことが無い」と話した。
▲日本は、耐性菌の管理ができなかった〓今回、日本で49人もMRABにかかったのは、病院側が数ヶ月前に発見した耐性菌をしっかりと管理できなかったためだ。MRABは、その大半が病院で検出されるが、抗生剤を多く使う重患室に特に多い。
耐性菌が現れれば、ほかの患者らへと拡大されないよう、徹底的に隔離措置を取らなければならない。日本ではこの措置がずさんで、血管や腎臓疾患で免疫力を弱まった人たちに伝播されたのだ。死亡者の70%以上が60歳以上だった。
翰林(ハンリム)大学江南聖心(カンナムソンシム)病院・感染内科の李ジェガブ教授は、「院内での耐性菌の伝播を食い止めるためには、患者の面倒を見る人々が、患者と接した前後は、必ず手を洗うべきだ」と話した。
一方、日本でスーパーバクテリアに感染された患者が、国内病院で治療を受けて帰ったという一部の報道について、保健福祉部は、「どの病院なのか確認ができず、国内での感染ルートはまだ把握していない」と語った。
最近、インドやパキスタン、英国、米国などで見つかり、恐怖に追い込んでいるカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)やバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)は、国内では臨床報告されたことがない。
ソウル大学病院・感染内科の吳明燉(オ・ミョンドン)教授は、「多剤耐性バクテリアに対し、現在に切り札として使える抗生剤は、バンコマイシンやカルバペネムの2つだ」と主張し、「しかし、インドなどの事例のように、これに対する耐性菌が生じており、新しい抗生剤が開発されるまでは、バンコマイシンやカルバペネムのような抗生剤を少しずつ使い、耐性菌が遅れて現れるようにするのが最善の方法だ」と話した。
▲国内ではどのような対策を〓スーパーバクテリアは主に、病院で感染する。福祉部は15年まで、病院全体の感染率を30%までに下げ、スーパーバクテリアの感染可能性も減らす計画だ。福祉部は来週、病院の重患室や透析室、救急室などに、感染に取り組む指針を配布することにした。
疾病管理本部は来年から、MRABを含め、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、カルバペネム耐性腸内細菌、多剤耐性緑膿菌、多剤耐性アシネトバクター菌の6つの耐性菌株を法廷感染病に指定し、サンプル監視体制を稼動する予定だ。従って、来年から、全国総合病院級の医療機関50ヶ所あまりは、6種の抗生剤耐性菌の感染患者の現状について、毎週、報告しなければならない。
現在、300ベッド以上の病院に設置しなければならない感染対策委員会を、100ベッド以上まで拡大する医療法改正案を昨年まとめたが、国会・保健福祉委に係争中である。
病院業界では、「抗生剤をうまく管理している病院に対してはインセンティブを与え、病院が積極的に感染予防に積極的に乗り出すように仕向けるべきだ」と指摘した。
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