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豪腕代理人ボラス氏も加わった、懸念される野球の有望株の青田刈り

豪腕代理人ボラス氏も加わった、懸念される野球の有望株の青田刈り

Posted May. 15, 2010 07:12,   

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ユ・チャンシク(光州一高)とともに高校野球の最高のパワー投手に挙げられているハン・スンヒョク(徳寿高)が大リーグの豪腕代理人スコット・ボラス氏と最近、代理人契約を結んだ。昨年には7人の高卒選手が国内のプロ野球を経験せず、米大リーグ球団とマイナリーグ契約を交わして渡米した。

今年も、大リーグ事務局が韓国野球委員会(KBO)に身分照会を求めたアマチュア選手が14日までに44人(高校38人、大学6人)に上る。このような状況に加えて、ボラス氏まで国内アマチュアの有望株争奪戦に加わっているのだ。

ボラス氏は、秋信守(チュ・シンス=クリーブランド)との契約を取り付けた大物代理人。これまで大リーグ球団のスカウト担当者たちによって行われていた国内選手のスカウトに、有力代理人までも加わったことを受けて、新人選手指名制度をめぐる論争が白熱している。

●なぜここまでなってのか

昨年、史上最多の7人の高卒選手が米国に渡ったのには理由がある。プロ球団が新人選手を指名する方式が昨年から全面ドラフトに変わってから、1次指名制度がなくなかったからというのが野球界の大方の見方だ。1次指名制度は、各球団縁故地域の高校選手のうち1人に対して優先的に指名できる権利のこと。これが全面ドラフトの導入とともになくなった。全面ドラフトは、8球団の縁故地域によって野球部がある学校の数に差が大きいために戦力の平準化という観点から導入された。

1次指名制度が復活されても、アマチュア選手たちが海外に出て行くのを完全に止めることはできない。秋信守は、釜山(プサン)高校3年生だった00年に、ロッテの1次指名を受けたが、それを振り切って大リーグのシアトルと契約した。ところが、1次指名制度下では、各球団が指名対象選手に十分な契約金を保障しながら管理することができた。ドラフト制度下では、早くから世話をしても、どのチームに行くことになるか分からないため、選手管理に労力を注ぐ理由がなくなる。

このように有望株たちの相次ぐ米国進出の主な原因に1次指名制度の廃止が挙げられ、これを再び復活させるべきだという声が高まっているが、各球団の利害が絡み、解決策を見出すのは容易でない。縁故地域の選手層によって、球団の立場は明確に分かれている。選手が比較的豊富なKIA、ロッテ、SKは1次指名制度の復活に積極的に賛成している。

しかし、事情が違う三星(サムスン)やハンファは反対だ。ソウルを縁故にしている3チームのうち、斗山(トゥサン)は賛成だが、LGとネクセンは反対している。

ソウルは高校選手層が相対的に厚い地域だが、これを3球団で争う場合、KIAやロッテ、SKに対して有利なことにはならないというのがLGとネクセンの計算だ。このため、11日、球団社長らが出席したKBO理事会で、新人指名制度に関する案件を取り上げたが、見解の相違を確認し、結論を出すには至らなかった。

●対案はないか

球団同士の見解の差がはっきりとしているため、既存の1次指名制度への回帰や、現行のドラフト制度を継続して維持するのが困難であるなら、第三の対案を模索すべきであるという声が出ている。11日の理事会を含めて、これまでの何回かの社長団会議では、都市縁故制を中心に修正を加えた1次指名制度が対案として持ち上がっている。

以前の1次指名制度は、広域縁故が基準となっていたため、各球団の選手資源に格差が大きかった。例えば、釜山・慶尚南道(キョンサンナムド)を縁故としているロッテは、8高校があるが大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンブクド)を縁故としている三星は4校だけだ。

このため、広域縁故ではなく、各球団に一つの都市縁故だけを認めることで、選手資源の格差を埋めて残りの都市に対しては、縁故権を均等に分け合うという構想だ。

大リーグ進出への選手たちの意志をくじくことが無理なら、形はどうあれ、新人指名制度を選択するか、あとででも海外進出の門戸を拡大することも一つの選択肢になるという意見も、会議では出た。

今は海外進出が自由にできるためには、国内で毎年1軍登録日数が145日以上で9年間活躍という条件がついているが、その時期を少し緩和するというものだ。



wing@donga.com