Go to contents

財界が会社法案を国会提出、経営権と財産権の保護に焦点

財界が会社法案を国会提出、経営権と財産権の保護に焦点

Posted March. 26, 2010 03:01,   

한국어

全国経済人連合会(全経連)が最近、自主的に制定し、政府や国会に提案することになった「モデル会社法」は、「従来商法の会社に関する部分には規制が多すぎる」という財界の見方をそのまま反映している。財界は、「激変するグローバル経済的状況に適切に対応するためには、改正手続きの難しい現在の商法は適していない」とし、会社法制定の必然性を主張している。

しかし財界が示した会社法案には、従来の株主の財産権保護や経営権防御手段の導入など、財界の方で必要としている部分が相当含まれており、議論の余地がある。単一会社法の制定をきっかけに、その内容も財界に有利な方に修正しようとするのが財界の「狙い」である。専門家らの間では「モデル会社法」の内容は議論の余地があるが、形式においては単一会社法の制定は、国際的な流れに沿うものだという見方が多い。

●外国にはあるが、韓国にはない「会社法」

全経連は建国(コングク)大学の権鍾浩(クォン・ジョンホ)教授を責任研究員に任命し、08年4月に「モデル会社法の制定を巡る研究会」を立ち上げたあと、2年間の研究や検討を経て、最近、「モデル会社法」を完成させた。グローバル・スタンダードにあわせるため、全南(チョンナム)大学の金スンソク教授や延世(ヨンセ)大学の沈濚(シム・ヨン)教授、建国大学の崔秉珪(チェ・ビョンギュ)教授などが参加し、米国や英国、日本、豪州、中国などの会社法について研究してきた。

英国はすでに1800年代に会社法を制定しており、この影響を受けたオーストラリアも、20世紀前半に単一会社法を制定した。米国やドイツ、日本なども政府あるいは州レベルの単一会社法を運営している。中国も1993年、「中華人民共和国公社法」という会社法を制定した。

全経連は、「会社法が商法に従属される法制は、「グローバル・スタンダード」から外れている上、内容の面でも国際的な流れについていけず、規制の性格が強いため、産業界では会社法の案をまとめ、示す必要性を感じるようになった」と説明した。例えば、現在の商法で規定している議決権への制限法案は、世界的にも例のない法案だというのが全経連の主張だ。このように、全経連は、「世界的な流れを反映した会社法制の先進化」や「利害関係規律の自主性保障」を「モデル会社法」の基本原則として掲げている。

●経営権の防御や財産権保護に焦点

「モデル会社法」は、経営権防御の手段確報や経営手続きの簡素化などに焦点を当てている。新株引受け選択権や複数議決権株、同意権付き株などの導入を法制化すべきだという主張だ。いわゆるポイズンピルと呼ばれる新株引受け選択権は、敵対的買収合併(M&A)が試みられる時、従来の株主は安価で新株を取得でき、経営権を維持できるようにする制度だ。同意権付き株(黄金株)は1株だけでも拒否権を行使できる株のことを指す。法務部は昨年、商法改正案が公聴会で株主3分の2以上の同意を経れば、新株引受け選択権を定款に反映できるという案の導入を決定したが、まだ法律は見直されていない。

「モデル会社法」はまた、社外取締役の任命比率や監査委員会の設置問題などを法律で強制した現行法とは異なり、社外取締役の任命比率などを定款で定めるようにしている。監事や監査委員を任命する際は、株主の議決権を3%に制限するなど、株主の財産権を侵害する規定についても整理した。

株主全員の同意がある場合は、株主総会や取締役会を必ずしも招集せずに済む提案や、現在買収しようとする会社の株価が、合併を試みる会社の株価の5%未満の場合だけ、株主総会を免除する法案を20%に引き上げ、合併手続きを簡素化しようとする提案も目立っている。

全経連の関係者は、「現在の商法は、事業の再編を巡り、外国より過度に厳しい要件を要求している」と、趣旨を説明した。

●実際の導入には議論がありそう

しかし、このような財界からの要求が全て受け入れられるかどうかはまだ分からない。韓国産業開発院(KDI)の金ウチャン教授は、「社外取締役の任命比率などを定款で決定するのは、大幅に後退する法案だ」とし、「韓国の現状に照らせば、社外取締役制度がなければ、結局オーナー一人が意思決定を行う羽目になるが、このようなシステムはすでに通貨危機の際に失敗したことが分かったのではないか」と指摘した。

慶熙(キョンヒ)大学の権載烈(クォン・ジェヨル)教授は、「監査委員の任命で議決権を制限する規定は、世界的にも稀である」としながらも、「しかし、監事が大株主の知人だったり親戚であるケースもある韓国的現状の中では、廃止よりは折衝案を見つけるべきだろう」と話した。



swon@donga.com imsun@donga.com