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「親庶民」の方向は正しいが効果はまだ 李政権の2年を診断

「親庶民」の方向は正しいが効果はまだ 李政権の2年を診断

Posted February. 24, 2010 09:06,   

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「李明博(イ・ミョンバク)政府は、経済危機の効果的克服、G20首脳会議の誘致による国威宣揚などの成果を出したが、国民との疎通が不十分だった。親庶民政策に旋回したことはいい決定だが、庶民の暮らしに実際に影響を及ぼすには、努力がさらに必要だ」

東亜(トンア)日報の李明博政権2年間の政治分野の評価に応じた政治・行政学の教授20人の診断は、このように要約することができる。教授たちがつけた点数を平均すれば、5点満点で「普通」を若干上回る3.08点だった。

経済危機の克服は、12人の教授が功績として挙げた。08年、民主党の公認審査委員を務めた梨花(イファ)女子大学の金秀鎭(キム・スジン)教授もこの点は評価し、平均値(3.08点)より低い点数をつけた西江(ソガン)大学の李賢雨(イ・ヒョンウ)教授(2.7点)、慶熙(キョンヒ)大学の金玟甸(キム・ミンジョン)教授(2.5点)も意見が同じだった。ソウル大学の朴孝鍾(パク・ヒョジョン)教授は、「多くの仕事をした」と述べた。

金晧起(キム・ホギ、延世大学)、任爀伯(イム・ヒョクベク、高麗大学)、金光雄(キム・グァンウン、ソウル大学)、康元澤(カン・ウォンテク、崇実大学)、権萬学(クォン・マンハク、慶熙大学)教授らは、中道実用に政策が旋回したことを評価した。金晧起教授は、「庶民美少(ミソ)金融、学資金制度など、親庶民政策に少なくとも政策的コンテンツがあった」と評価した。

G20首脳会議の誘致、アラブ首長国連邦の原子力発電所の受注などの成果に対して、漢城(ハンソン)大学の李昌遠(イ・チャンウォン)教授は、「働く政府というイメージを回復させた」と評価した。金大中(キム・デジュン)政権で中央人事委院長を務めた金光雄名誉教授は、「これと言って挙げる成果はない」としつつも、「李明博政権は、政府を十分に運営する術を知っているようだ。その努力がうかがえた」と評価した。むろん、明智(ミョンジ)大学の金亨俊(キム・ヒョンジュン)教授のように、「政治分野ではっきりと成果と言えるものはない」として、「よくなかった」に該当する2点をつけた教授もいた。

よくなかった点としては、葛藤解消の努力が不十分で、野党だけでなくハンナラ党内の親朴槿恵(パク・グンヘ)系との疎通が不十分だったという指摘が12人から出された。韓国外国語大学の李政熙(イ・ジョンヒ)教授は、「世宗(セジョン)市や4大河川事業などで、(大統領府が)自分の確信だけで推し進めて、問題が生じた」と指摘した。慶熙大学の林成浩(イム・ソンホ)教授は、「両事業は、内容というよりも、政策推進の根回しに失敗した」とし、中央(チュンアン)大学の張勲(チャン・フン)教授は、「政策目標を推進する政治力が足りなかった」と指摘した。

延世(ヨンセ)大学の朴明林(パク・ミョンリム)教授は、「労働者、野党、過去の政権には法治主義を強調するが、富裕層や財閥総師、企業などの強者には寛大なダブルスタンダードを適用した」として、民主主義の後退を挙げた。任爀伯教授は、親庶民政策について、「中道への旋回はよかったが、庶民が実感できる政策がない」と指摘し、延世大学の張東震(チャン・ドンジン)教授は、「弱者に対する配慮があまり見られない」と話した。

李明博政権のこの2年間の外交・安保・統一分野に対する専門家の評価は、「中間」より少し高い3.5点だった。

外交分野については、「よかった」(4点)と評価した専門家が多かった。主な成果として、戦略的同盟による韓米関係の強化、原則を前面に押し出した非核化外交、グローバル外交の推進などを挙げた。グリーン成長など、世界的なアジェンダを韓国が主導したことも、成果の一つだった。

中央大学国際大学院の金泰鍱(キム・テヒョン)教授は、「韓国の外交政策の基準を国際的水準に合わせ、対外信任度を高めた。G20首脳会議の開催とOECD開発援助委員会(DAC)への加盟は、そのような過程で出た成果だ」と評価した。

ただ、静かに推進すべきエネルギー・資源外交を大っぴらに宣伝する「拡声器外交」で、関係国とむしろギクシャクする否定的な面もなくはなかったと、専門家たちは指摘した。特に、北朝鮮戦略の具体的なロードマップを提示できず、韓半島問題の解決の動力を十分に見いだせずにいるという指摘も出された。

南北関係については、政府が、南北対話で原則ある北朝鮮政策を一貫して維持したという点を功績に挙げた。現政権の北朝鮮政策に辛い点数をつけた専門家たちも、北朝鮮政策の一貫性には共感した。慶南(キョンナム)大学の金根植(キム・グンシク)教授は、「政府が北朝鮮に無条件に言いなりにはならないという認識を北朝鮮に与えた」と評価した。

いっぽう、柔軟な北朝鮮政策が不十分だったと指摘した専門家も多かった。高麗(コリョ)大学の柳浩烈(ユ・ホヨル)教授は、「北朝鮮の体裁や慣行への配慮が足りなかった」と指摘し、東国(トングク)大学の金榕鍱(キム・ヨンヒョン)教授は、「北朝鮮の核問題を過度に南北関係に連動させた」と強調した。北朝鮮政策に対する評価は4.5点(「非常によかった」と「よかった」の中間)から2点(「よくなかった」)まで点数の偏差が大きく、平均は3.2点だった。

国防分野に対する専門家たちの評価も、「中間」レベル(3.4点)だった。専門家たちは、まだ結果が出ていないが、軍に経営マインドを導入し、軍の効率化を推進して国防改革作業を進めていることを、李明博政府の成果に挙げた。韓米関係については、功績と誤りのいずれもあるという指摘が多かった。先の政府に比べて韓米間の葛藤要素が顕著に減り、韓米同盟が過去の姿を取り戻したという点は功績だが、未来の韓米同盟の方向と内容が不透明で、北朝鮮との関係で韓米の実務者間には依然として意見の相違があるという指摘だ。一部の専門家は、△安保を経済論理でアプローチし、△韓米同盟への回帰が行き過ぎていると指摘した。

財界、学界、金融界、研究所、コンサルティング会社の経済専門家20人は、李明博政府がこの2年間で最もよかった点として、世界的な金融危機の克服を挙げた反面、最も悪かった点として、雇用対策を挙げた。政府発足初年度に吹き荒れた危機の暴風雨から抜け出したものの、国民が体感する苦痛の度合いが強い失業の糸の絡みを解くことができず、新しい危機を迎えていることを指摘したのだ。

経済分野の成果として、専門家20人のうち14人は、適切な景気刺激策で、世界で最もはやく金融危機から脱した点を高く評価した。銀行が中小企業の貸付を回収すれば、企業の倒産が続出する恐れがあると判断して、保証限度を引上げ、既存の貸付を延長させた緊急措置などによって、昨年0.2%のプラス経済成長率を達成できたと考えたのだ。昨年、OECD加盟国30ヵ国のうち、成長率がプラスだった国は、韓国、オーストラリア、ポーランドの3ヵ国だけだった。

専門家11人は、グリーン産業を育成して、アラブ首長国連邦の原子力発電所を受注したことで、国家の新たな成長動力を確保した点を注目できる成果と考えた。G20首脳会議の開催などによる国家イメージの向上(9人)、庶民のための民生対策の推進(5人)、企業にやさしい経済政策(3人)などを政府の功績に挙げた専門家も多かった。

いっぽう、失業者数が121万人を越えるなど、今の就職難を解消できていない点に対する酷評も多く、専門家7人が雇用政策の失敗を指摘した。雇用対策に一貫した哲学なく、大衆的人気に迎合する傾向を見せ、中小企業は働き手が不足して困っているのに、大卒者は職を見つけられない雇用のミスマッチ問題を解消できなかったということだ。

金融危機を克服したが、企業の構造調整が遅々として進まず、不良債権を抱えている状況を憂慮する専門家(4人)も少なくなかった。生ぬるい構造調整のために、慢性的な赤字構造から抜け出せない企業が延命することで、経済に大きな負担になっているという指摘だ。

為替を安定させるために、政府が外国為替市場に過度に介入するという点も問題とされた。ある専門家は、「為替の安定のためにあまりにも多くの費用をかけているが、為替の安定効果をそれほど得られていない」と指摘した。

国家債務と公企業の負債の管理システムも低い点数をつけられた。景気刺激策の推進のために、財政の健全性が悪化したという事情はあるが、債務を減らして国有財産の運用の効率性を高めようという努力が不十分だったということだ。一部の専門家は、出口戦略を適時に実施できなかった点(2人)、政治的リーダーシップ不足(2人)などをよくなかった点に挙げた。



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