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[オピニオン]法王庁とET

Posted November. 13, 2009 08:17,   

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「この広い宇宙に私たちだけが存在するなら、それは途方もない空間の浪費だ」。騒音と灯のない静寂した中で、夜空を眺めていると、世界的天文学者カール・セーガンの言葉に肯ける。宇宙のどこかに私たちのような知的生命体が存在するのか。CNNが、00年に実施した世論調査では、回答者の82%が「そうだ」と答えた。宇宙人と接触したいという熱望は、数多くの著述や映画で再現され、地球外知的生命体探査(SETI=Search for Extra-Terrestrial Intelligence)プログラムをスタートさせた。

◆ノーベル物理学賞受賞者のエンリコ・フェルミもこれに同意した。学者らとこの問題を討論した彼は、突然質問を投じた。「宇宙人が存在するなら、どこにいるのか」。宇宙人がいるなら、なぜ会うことも、痕跡を見つけることもできないのか、ということに対する根本的な問いは、「フェルミのパラドックス」と呼ばれている。宇宙から飛んでくる電波の規則性をもとに宇宙人を探そうというSETIの試みは、まだ成功していない。

◆科学の合理的思考で、宗教を攻撃してきたリチャード・ドーキンス・オックスフォード大学教授は、著書『神は妄想である』で、宇宙に発展した文明があるなら、人間は神と宇宙人を区分できないと指摘し、論議を呼んだ。ところで、ローマ法王庁が最近、「宇宙に生命体が存在するか」をテーマに開催した学術大会で、「宇宙に知能を備えた存在があるなら、それも神の創造物だ」と言い、関心を集めた。太陽が、宇宙の中心だと主張したという理由で、ガリレオが宗教裁判にかけられてから、400年来の大きな認識の変化だ。

◆宗教と科学の関係を簡単に定義することは難しい。ただ、おもしろい事実は、宇宙誕生の定説として考えられているビッグバン理論の創始者も、カトリックの神父だったという点だ。MIT大学物理学博士のジョルジュ・ルメートル神父は、「宇宙が膨張するなら、原始宇宙は今より小さく、究極的な一つの点から出発しただろう」と述べ、ビッグバン理論を提示した。法王庁の天文台責任者であるホセ・ガブリエル・ヒュネス神父の宇宙人存在を認める発言も、宗教が現代科学の成果を受け入れようとする延長線上から出たものだ。宇宙人の存在を認めることは、決して創造論の否定ではない。神は依然として信仰の領域であり、宇宙人も今のところそうだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員shchung@donga.com