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「偽札戦争」5万ウォン札に戦線移動

Posted July. 01, 2009 03:05,   

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新5万ウォン札の発行から1週間経った先月29日、仁川(インチョン)で5万ウォン札を偽造して使用しようとした李某容疑者(28)が逮捕された。5万ウォン札発行後の初の偽札犯である李容疑者は、自宅の家庭用カラーコピー機を使って5万ウォン札266枚を偽造した。警察と韓国銀行(韓銀)は、肉眼で簡単に見分けがつき、粗雑であると発表した。

しかし政府内では、36年ぶりの高額札の発行で、紙幣偽造が今後増えるものとみて緊張が走っている。韓銀、警察、国家情報院(国情院)、韓国造幣公社、国立科学捜査研究所、関税庁などの関連機関は、「偽札防止実務委員会」、「偽札防止技術協議会」を開き、偽札との戦争に乗り出した。

●「スーパーノート」に比べれば国内の偽札はアマチュア

世界的に偽札のレベルは、偽ドル紙幣が最も発達している。ドルは、肉眼では見分けがつかず、偽札鑑別機でも識別が難しい水準のいわゆる「スーパーノート」が、大規模に流通している。光に透かして見える銀のラインや見る角度によって変色する特殊インクまで、本物の紙幣とまったく同じにつくりあげる。

韓国造幣公社のリュ・イルニョン偽造防止センター長は、「ユーロをはじめ、多くの国の偽札が平板印刷の水準にとどまっているが、偽ドル紙幣は凹版印刷のうえ、紙やインクの成分まで本物そっくりにつくられている」と話した。

これに比べれば、韓国の偽札はまだアマチュアレベルだ。国内で発見された偽札は、大半がカラーコピーでつくられており、肉眼で識別可能だ。

現在、世界で最も多く偽札が発見された通貨はドルだ。国情院によると、世界的に流通しているドル6200億ドルのうち、毎年約2億ドルの偽札が摘発されている。

特に、00年代以降、情報技術(IT)の発達で、コンピューターとスキャナーの複合機が広く普及したことで、偽札が急増している。国内で発見された偽札も、02年の3000枚から05年に1万2900枚、06年には2万1900枚に増加した。しかし現在、韓国の偽札の割合は、流通している紙幣100万枚当たり4.1枚で、英国(136.2枚)、カナダ(83.2枚)、ユーロ(50.4枚)に比べれば微々たる水準だ。

●世界3番目に先端偽造防止装置を導入

しかし、今回の高額紙幣の発行によって、5万ウォン紙幣も国際犯罪組職のターゲットになる恐れがあると憂慮が高まっている。韓銀と造幣公社が5万ウォン紙幣の発行で最も気をつけたのも、偽造防止装置だ。偽造防止装置は、一般の人が見て触って簡単に分かる第1段階から、特殊機器を利用する第2段階、極少数の専門家だけが識別できる第3段階に分けられる。造幣公社によると、今回の5万ウォン札には、計23個の偽造防止装置が使用され、このうち約10個は第3段階の非公開装置だ。

5万ウォン札で最も際立つ偽造防止装置は、「モーション」と呼ばれる図柄が動くように見える複製防止技術だ。スウェーデンが06年4月に世界で初めて取り入れ、08年のメキシコに続き韓国が3番目に導入した。米国も、年末に発行する新100ドル紙幣に「モーション」を導入する予定だ。米国のある民間業者が特許を持つ同技術は、現在まで偽造されたケースがないという。

しかし、専門家たちは、偽札犯罪がいつかはこの技術をも偽造すると考えている。結局、対策は偽札犯よりも先を行く技術開発だ。

リュ・センター長は、「米国は、6、7年ごとに新しい紙幣図案をつくり、先端技術を取り入れている。韓国も、新しいデザインと技術をしばしば適用して、紙幣を発行する必要がある」と指摘した。



jaeyuna@donga.com