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[社説]果敢な構造調整で、自動車の強者となったフィアット

[社説]果敢な構造調整で、自動車の強者となったフィアット

Posted May. 05, 2009 06:15,   

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欧州最大手自動車メーカーとして、110年の歴史を誇るイタリアのフィアットは04年、破産危機に追い込まれた。同年の累積赤字が120億ドル(約15兆ウォン)に上り、20%の持分を所持していた米ジェネラル・モーターズ(GM)すら、フィアットを手放すほどだった。フィアットは、セルジオ・マルキオンネ最高経営者(CEO)を迎え入れ、果敢な構造調整に乗り出し、事務職2万人中10%の人員を解雇し、若い人材を外部から起用することで、翌年、黒字へと転じた。フィアットは提携関係を清算しようとしたGMから、20億ドルの資金を取り付け、小型車の開発や生産への投資を行った。

世界自動車業界再編の動きが激しい。フィアットが米クライスラーを買収したのに続き、GMの欧州事業部門であるオペルの買収交渉を行っていると、昨日明らかにし世界を驚かせた。フィアットは、自動車部門を分け、GM欧州事業部門とクライスラーを統合し、年間生産600万〜700万台規模の自動車会社へと成長させる計画を発表した。買収交渉が成立すれば、世界自動車メーカーのビック3は、トヨタ(日本)、GM(米国)、フォード(米国)から、トヨタ、フィアット(イタリア)、フォルクスワーゲン(ドイツ)へと変ることになる。フィアットは世界9位から垂直上昇を果たすことになる。

現代起亜(ヒョンデ・ギア)自動車よりも生産規模の小さかったフィアットが、構造調整後、ライバル会社を買収している間、現代起亜、GM大宇(デウ)、双龍(サンヨン)など韓国内自動車メーカー各社は、何をしていたのか振り返えらなければならない。構造調整とコスト削減どころか、労組に引きずり回されるばかりだった。自動車メーカーの経営陣はもとより、ことあるごとに、会社方針に反対してきた労組幹部らの非が大きい。会社の非常経営へ突入に対し、「組合員への真っ向からの挑戦だ」とストで威嚇し、生産車種の変更にも反対した現代車労組は、なんと言い訳を並べ立てるだろうか。生き残りのため、支援を訴える双龍自動車やGM大宇労組は言うまでもない。

世界自動車市場は経済危機を受け、昨年7065万台レベルだった販売台数が、今年は6000万台へと激減する見通しだが、総生産能力は9400万台にのぼり、30%以上の減産や構造調整が避けられない。世界自動車市場の再編期に、迅速に構造調整を行った会社は、ライバル会社を買収し、自動車強者として登場する一方、構造調整を怠った企業は、ライバル企業の餌食となる弱肉強食の戦いが激しい。我が国の自動車メーカー各社は、どのような未来を選択するのだろうか。