
「憂うつですか。じゃ、歌を歌って、絵を描いてください」
大韓補完代替医学会の李ソンジェ(佳泉医科大学吉病院教授)理事長が行っているうつ病治療法だ。話にもならないようだが、補完代替医学で美術と音楽は、優れたうつ病の治療剤だ。
しかし、李理事長は、「補完代替医学が、現代医学より優れているという考えは禁物だ。正統現代医学を補完するためのものに過ぎない」と話す。
李理事長は元々、小児心臓病の専門医だった。慢性疾患の補完代替医学治療法について聞いてみた。
▲うつ病〓音楽と美術治療は、患者個人が対象になるが、グループをよく活用する。数名が一緒に遊んで「明るさ」を引き出すという原理だ。絵を描いたり、折り紙を折ったり、合唱や演奏したりする。
生薬療法もある。ハーブの一種の「聖ヨハネ草」は憂うつな気分を、「カバカバ」「バレリアン」は不安を解消する效果がある。ただ、軽い症状の時に效果がある。
「マージョラム」「ベルガモット」の香りを吸収するアロマセラピーもある。セロトニンの分泌を促進させ、症状が軽い患者に效果がある。冬、症状のひどい患者には、光線治療が役に立つ。
▲糖尿病〓正統現代医学の処方と似ている。定期的な運動とともに、食餌療法を並行するようにしている。玄米や完全粉のように、長く噛んでいると甘味が出る「複合糖」食品を勧める。
生薬療法も並行する。「コロハ」「米国産人参」などが、血糖値を下げ、副作用がないという研究結果がある。ただ、重度の患者には效果がない。
「クロム」を飲みながら運動を並行すると、血糖値が下がるという。ただし、ニンニクの治療效果については、明確な根拠がない。
▲アトピー性皮膚炎〓正統現代医学とほぼ似ているが、生薬治療がよく活用される。
オメガ脂肪酸が豊富な「月見草油」を塗れば效果があるという外国の研究結果がある。また、ジャガイモのでん粉か、片栗粉とソーダをお湯に混ぜて20分ほど入浴すると效果があるという研究もある。こうすることで保湿效果が増し、薬の浸透を助けるためだ。
現代医学で使う「エリデル」のような免疫抑制剤を並行するのもいい。特に、朝起きた時にこの薬を使えば效果が高い。
▲高血圧〓「ポタシウム」の摂取が勧められる。塩を体の外に排出する性質があって、血圧を下げるためだ。ある研究で、患者の70%が8週間後に血圧が下がったという。ポタシウムは、サツマイモ、ジャガイモ、カボチャ、バナナに多く含まれている。
のり、ワカメ、コンブなどの海そう類もお勧めだ。海そう類がヌルヌルしているのは、「アルギン酸」という繊維質のためだが、この成分が血圧に負担を与える糖分と脂肪を取り囲んで便として排出させる。
しかし、海そう類には甲状腺炎を引き起こす恐れのあるヨードが多く、過度な摂取は避けたほうがいい。
▲慢性疲労〓生薬療法のうち麻黄と五加皮がよく使われる。麻黄の「エフェドリン」、五加皮の「ジンセノサイド」成分が運動能力を高め、疲れをとるという研究がある。
人参、五味子、リンゴ、レモン、タイツリオウギ、トマト、ニンニク、サンチュ、ゴマなどの自然食品も、ある程度の疲労減少の效果が立証されており、処方に多く活用される。ビタミンBとCの服用もお勧め。血中のマグネシウムの含量が低い時に現われる症状が、慢性疲労症侯群と似ているため、マグネシウム摂取も時にはよい。
corekim@donga.com