朝鮮王朝が17世紀、日本の徳川幕府に送った外交文書の原本を発見したと、朝日新聞が2日付で報じた。
朝鮮王朝が送った外交文書の中には、両国の仲介役を果たした対馬の島主が勝手に直したものが多いが、直す前の原本が発見されたのは初めて。
当時、対馬島主は朝鮮と安定した貿易をするためには両国の外交関係が良好でなければならないため、幕府の名前を偽って独自の使節団を朝鮮に送るとか、朝鮮から送られた外交文書を偽造したりすることが多かった。
朝日新聞によると、同外交文書は1624年の徳川家光将軍就任を祝うために朝鮮王朝が送ったものだと言う。
九州国立博物館と慶応大学研究チームが東京国立博物館で見つけた。
『異国日記』や『通航一覧』などの幕府側の記録と同文書を対照した結果、5ヵ所に違う所が見つかった。
例えば、原本の「兼修昨年賀使回答之礼(昨年使節を送ってくださったことへのお礼を兼ねて)という部分の中で、「昨年賀使」は幕府側の記録では対馬藩の使節を意味する「馬嶋賀使」になっていた。
原本の「昨年賀使」は幕府が送った祝賀使節団を意味するが、幕府は実際には使節を送っていなかった。対馬の島主が幕府の名前を偽って使節を送ったところ、朝鮮王朝がこれを公式使節とみてお礼の文書を送ったが、対馬の島主がにせの文書を作成して幕府に渡したものと推定される。
また、研究チームが新たに発見した文書の「礼曹参判之章」という朝鮮王朝の正式印鑑も、幕府が保管してきた既存文書と違っていて、やはり対馬島主が偽造した可能性が大きいものと見られている。
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