Go to contents

代走のスペシャリスト、斗山ユン・スンギュン

代走のスペシャリスト、斗山ユン・スンギュン

Posted August. 13, 2005 03:07,   

한국어

打席よりベースに立つことが多い「半選手」ともいうべき代走要員の選手が、盗塁王をねらうというプロ野球史上初のできごとが起きようとしている。実際、彼は打席では打率0.153で1本の本塁打もなく、11安打4打点3四球30三振という悲惨な成績を記録している。

「気分が悪いということはまったくありませんね。試合でプレーできるということ自体が嬉しいです。入団後2年ぐらいは1軍のゲームに出ることもできないと思っていたんですから」

ユン・スンギュンの入団条件は、契約金なしの年俸2000万ウォンのみで、事実上訓練生出身。シンイル高校卒業を控えた00年、現代(ヒョンデ)が2次ドラフト最後の12巡目で指名しながら指名権を放棄し、やっとの思いで斗山(トゥサン)に入団した。

しかし、彼の足だけは抜群だった。小学校時代には、すでに100メートルを14秒で走り、高校では11秒台中盤まで縮めた。184センチ、80キロのほっそりした体格で、脚も長く、実際よりはるかに高く見える。

ユン・スンギュンは、シーズン前の練習試合で、得意の走塁を見せつけることででコーチング・スタッフの心を捕らえた。機動力は野球の重要な要素のひとつ。相手投手の心理をかく乱するのに効果的なうえ、僅差の勝負に決着をつけることができるからだ。それは、1984年、失敗に終わったとはいえ、ロッテが100メートルの韓国記録保有者(10秒34)のソ・マルグさんを迎え入れたことからもわかる。

ユン・スンギュンには心強い後援者がいる。父親が7歳の時に肝臓癌で亡くなって以来、美容室を経営しながら一人息子の面倒をみてきた母親の朴ヨンスク(54)さん。母親は息子の試合を欠かさず録画し、ときには競技場にも足を運ぶ。ユン・スンギュンは、家で録画テープを見ながら、投手の投球フォームを分析し、自分のプレーも振り返る。

「今年、プロ野球選手になる夢を実現したのも嬉しいけど、これからは自分の力で母親の面倒が見られるというのが嬉しい」と彼は言う。

ベースに立てさえすれば楽しくて胸がドキドキするというユン・スンギュン。「見ていてください。打撃も向上させて、1〜2年で主力のトップ打者の座を射止めますから」。

韓化(ハンファ)のチャン・ジョンフンコーチの後を継ぐユン・スンギュンの訓練生神話の夢が実りつつある。



kimsk@donga.com