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[社説]最高裁判所長官の特検推薦、司法原則の破壊だ

[社説]最高裁判所長官の特検推薦、司法原則の破壊だ

Posted June. 30, 2005 06:27,   

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国会法司委小委で、「捜査と裁判の分離」という司法の基本原則に合わない異常な法律案が与野党の合意で可決された。ロシア油田開発疑惑特別検事法案は、これまでの特別検事法とは違って、特別検事候補2人の推薦権を弁護士協会会長ではなく、最高裁判所長官に与える内容を盛り込んでいる。与党が、保守的な性向の弁護士協会会長に特別検事候補の推薦権を与えないためにもめていた最中に策を思いつき、野党も何の考えもなく同調したようだ。

特別検事は、あくまで捜査する検事だ。司法は、起訴された事件の裁判を担う機関である。事件を捜査して起訴する検事の人選に最高裁判所長官が関与することは、捜査起訴と裁判の分離という3権分立の原則に真っ向から食い違う。捜査が終わって事件が裁判に付託される時、最高裁判所長官が人選した特別検事が、公訴を維持するために判決に影響を及ぼすこともありえる。

特検法は、国民の疑惑を解くために導入された制度である。油田開発疑惑特検法の捜査対象には、与党の実勢という

李光宰(イ・グァンジェ)議員が含まれる。与党が、過去の特検法で確立された慣行を無視して、弁協会長の推薦権を奪おうと「便法アイディア」を出した事実自体が、疑惑をさらに膨らませている。李議員が自分の主張どおりに潔白なら、政府に批判的な弁協会長が推薦した特別検事から捜査を受けることが、国民の疑惑を解くのに役に立つだろう。

最高裁判所長官は、政治的中立を守らなければならない地位だ。最高裁判所長官に憲法裁判所判事、中央選挙管理委員会委員などの公職推薦権を付与したことは、3権の均衡を維持し、最高裁判所長官の政治的中立性を尊重する意味が込められている。しかし特別検事は、与野党が衝突する争点の真ん中にある捜査機関だ。与野党が政治的に鋭く対立する事件の捜査と起訴を引き受ける特別検事の推薦権を最高裁判所長官に与えれば、司法の首長が乱れた政争に巻き込まれ、政治的中立性に傷を負うことになる。国民の期待に沿わない捜査結果が出た時、候補を推薦した最高裁判所長官に非難が殺到する恐れもある。

最高裁判所でも、最高裁判所長官の特検推薦に反対する意見書を国会に提出した。最高裁判所の意見が尊重されなければならない。