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[オピニオン]食べる権利

Posted May. 27, 2005 03:31,   

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お腹がすいているのは我慢できても、お腹が痛いのは我慢することができないと言う。笑うための話だが、本当にお腹がすいている人の前で言う話ではない。世界10位の経済規模を誇ってきた韓国で、10人の1人の割合である500万人が貧困層という統計庁の推算が出た。経済協力開発機構(OECD)諸国の貧困層平均値(10.2%)に属するわけだ。米国は貧困層が17.1%だ。スウェーデン(5.3%)はもちろん、英国(11.4%)や日本(15.3%)より比重が高い。

◆世界化と市場経済が、貧富の格差を拡大させてますます暮しにくくしているとして、ここから脱しなければならないという主張も出る。しかし、数値を見れば間違った話だ。人類は過去に比べてもっとよく暮らしている。18世紀末から2000年まで1人当りの国民所得は米国が36倍に増えており、西欧13倍、アジア8倍、アフリカは4倍に増えた。貧困層も減少しつつある。世界銀行によれば、購買力基準で1日1ドル以下で暮らしている貧困層は1981年世界人口の33%(15億人)から、2001年には18%(11億人)になった。昔も今も貧乏から脱け出すことができない所は、世界化と市場経済の発達したところではなく、その正反対であるアフリカだ。

◆経済開放の初期には不平等が拡大するが、経済成長とともに富が拡散するパターンを「クズネッツカーブ」と言う。過去の世紀末までの我が国もこのようなパターンだった。カギは経済成長が持続するかにかかっている。1965年だけでも我が国とフィリピンの1人当りの国内総生産(GDP)は似かよっていた。毎年6%以上の経済成長を成し遂げた私たちは、OECD入りを果たしたが、2%前後を推移していたフィリピンは完全に遅れてしまった。

◆500万貧困層の深刻な問題は以前とは違い、偏る異常現象が深まっているからだ。悲しみの中でも飢えの悲しみが一番だと言った。その上に「食べる権利」も保障されない北朝鮮の住民たちを考えれば、私たちには経済成長がもっと必要だ。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com