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セマングム事業、原告勝訴で行方不透明に

セマングム事業、原告勝訴で行方不透明に

Posted February. 04, 2005 22:29,   

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裁判所が4日、セマングム干拓事業にともなう環境被害などを理由に、原告の環境団体に対し事実上勝訴判決を下した。そのためセマングム事業のこれからの行方が不透明になった。

農林部の控訴と環境団体の工事中止仮処分申請など、今後も各種の裁判が相次ぐと見られ、事業遅延にともなう経済的被害も大きくなると予想される。

▲年間860億ウォン損失〓裁判ざたで工事が中断された場合、年間860億ウォンの損失が発生するというのが農林部の主張。1世帯当り、毎年5970ウォンの負担が発生する計算になる。

農林部は、事業中断にともなう直接的被害額は800億ウォンに達すると予測した。03年、裁判所の事業暫定中断決定により、現在まで砂などが流出し年間800億ウォンの被害をこうむったという。

物価上昇にともなう間接的損失は年間約60億ウォンに達する。農林部は「年間1500億ウォンに達する工事費が、1年遅れた場合、物価上昇率(年間4%と仮定)同様の損失をこうむることになる」と説明した。

これにすぐには目に見えない社会的、経済的な費用まで入れれば、損失額はさらにふくらむものと見られる。

一方、セマングム事業の総工事費は2兆514億ウォン。この事業に昨年末まで1兆7000億ウォンが投じられた。また、今年と来年にかけてそれぞれ1500億ウォンずつ追加で投入される予定だ。

▲工事、今後どうなるのか〓事実上敗訴した農林部は1審判決に不服の場合、高等裁判所に控訴すると見られる。この場合、工事は継続できるが、控訴審にも敗訴した場合、負担が大きくなる。

判決を受け入れて一部の事業計画を修正する方策も考えられる。しかし、全面的な事業計画の変更でなければ、原告側が受け入れないと予測され、この場合、裁判ざたの繰り返しになる可能性が高い。

勝訴した原告側もそれほど得をしたわけではない。裁判所が工事中断決定をしなかったため、現在の状況では大きく変わったことはないからだ。

農林部の李源圭(イ・ウォンギュ)基盤整備課長は、「裁判所の判決が工事中止を要求するものではないため、排水関連公社と防潮堤補強工事は継続して進める」と話した。

原告側は農林部が控訴した場合、行政訴訟法により、既存の事業計画に対する効力執行停止申請を出すものと見られる。現在の事業計画により12月と予定された防潮堤関連工事を阻止するため、民事上、工事中止仮処分申請を出すしか方法がないからだ。

この審理にも相当時間がかかる。結局、どういった場合でも、政府が事業全面取消しを宣言しない限り、両側の攻防は長期戦になるしかないと予測できる。

▲事業進展度と見通し〓政府が現在進行している工事は、水止め工事と排水関連工事、補強工事の3つだ。

工事進捗度は91.8%。全羅北道扶安郡(チョルラブクド・ブアングン)と群山市飛鷹島(クンサンシ・ビウンド)までをつなぐ33km区間のうち、2.7kmが未完成のままだ。政府は06年末までにこの工事を完了させる計画だ。

しかし、工事が完了していない区間の海水の速度が、過去に秒速1mだったのが今は秒速5mへと速くなっているため、未完成区間に設置しておいた底面の保護設備が流出した場合、工事が遅れる可能性が高い。

今後の裁判では、水質問題と土地用途変更問題などが集中的に表面化する見通しだ。

全北(チョンブク)大学の呉昌桓(オ・チャンファン)教授(地球環境科学)は、「昨年調査の結果、干拓事業地域周辺のマンギョン川とトンギョン川の水質が03年より悪化した点を考慮すれば、水質がさらに悪くなる可能性もある」と話した。



legman@donga.com woogija@donga.com